はばたけニョッキ | M竹教授のBO・YA・KI

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ありがとう。

寒い日が続く


ニョッキ茹での季節である


この週末に茹であがったニョッキたちは


どれくらいなのかと思って


調べてみると、56万にもなるらしい



たくさんのニョッキたち だなあ



ぼくも昨日と今日はニョッキを茹でた




ニョッキ茹でには、呪文が大事である



呪文は、年を経るにつれて


すこしづつ変わっていくのだけれど



茹でる を始めるタイミングの呪文は


毎年決まっている。


「解凍はじめ。」


だ。




ことしもカッチン、コッチンに


凍ったニョッキたちがたくさんやってきた



ぼくは、ニョッキたちに少しでも


リラックスしてもらいたいのだが、


ニョッキ茹のマニュアルには、


雰囲気を和ませるため


ジョークを言ったり、


笑いをとろうとする行為は、


許されていない。


マニュアル通りでないと、


世の中が困ってしまうのだ





呪文を唱えて、ニョッキを解凍させる


これを二日間にわたって、


8回くらい繰り返すのだ


いっておくけど、これは PCR ではない


なんだか、似てるんだけども




これまで、豊に育まれて


暖かい手で煉られて、


そして、密封されて、時をまって


いま、茹でられる ニョッキたち



茹であげられた君たちは


自由という皿にのって


自分の色を磨くことができるんだろうな



自由を手に入れるかわりに


責任というものも手にはいることになる


恐れることはない



ニョッキたちは、まだ若い


すこしくらい、失敗したって


やり直せるチャンスはいく様にもある



マニュアルどおりに


きっち、きっちに、茹であげられた


ニョッキたちだが、




マニュアルは作ってしまえばそれで終わりというわけではない



自分流を見つけて


大きな舞台に、はばたいてほしい



なにから、なにまで


マニュアルばかりで、 おし殺さなければ


生きていけないことは多いかもしれない



レシピ通りの、現実に疲れて泣きたいことも


あるかもしんない。




でも、たまには


レシピと違うニョッキが、茹であがってもいいじゃない


自分色にはばたいてくれるのを


期待してるよ、ニョッキ茹でのぼくは。



 (はばたけ ニョッキ 2016)