味覚が重なる不思議な魅力、タイ料理 | Meta☆。lic2ch

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最近、タイ料理のお店が増えてきて、友人とご飯を食べに行くときも選択肢にタイ料理が含まれることが多くなってきた。日本料理には無い不思議な味覚と辛み、そして酸っぱさ……。見たことのない食材もあるし、タイ料理はお店で食べるものだとばかり思っていた。

そんな中、出会ったのが

長澤恵のタイ料理教室 本場の味がわかる、作れる、プロセスつき(マガジンランド)である。

著者の長澤恵さんは、OL時代の旅行をきっかけにタイ料理に魅せられ、タイに渡り現地のタイ料理レストランで修行を積まれたのだそう。今ではご自身でタイ料理教室を主宰、タイ料理のレストランやカフェのメニュー開発、タイのイベント企画などなど、タイを心から愛し、タイ文化を広める活動をされている方なのだそう。

本書を開くと、タイに関する説明や、タイ食材の詳細など、とにかくタイへの愛がつまっている印象を受ける。そこで、本書を担当された編集者の方へ、本書を出版された経緯やタイ料理について、いろいろとお伺いしてみた。

「タイ料理のレシピ本は数多く出版されていますが、工程がシンプルすぎて初心者にはなかなか上手に作れないため、人気のタイ料理教室(ティッチャイ タイフード スタジオ)を主宰されている長澤恵さんに、料理教室に通っている気分で作れるようなレシピ本を依頼しました」

実際に料理教室に通っているような気分。確かに、私のような料理初心者にとって、まるで先生に付き添ってもらっているかのような気分でタイ料理に挑戦できるのであれば、心強いことこの上ない。そういえば、タイ料理っていつの間にか食生活の一部として親しんでいたけれど、そもそもどういった特徴があるのだろうか。

「「タイ料理=辛い」というイメージが強いのですが、実は塩味・甘味・酸味のバランスが重要。そこに辛味とスパイスやハーブの風味が加わり、奥深くてやみつきになる美味しさが生まれます」

確かに、タイ料理が織り成す不思議な味覚は、辛みやスパイス、ハーブの風味が組み合わさって生み出されるもの。


そこがクセになるし、また食べたい! と思わせるきっかけにもなっている。なお、本書ではレシピ工程が写真となっていて、味見をするポイントなどもふきだしで入れられているため、初めての人でも挑戦してみようかな、という気持ちにさせる。

「著者の初のレシピ本なので、タイ料理の基本メニューに絞り、料理教室で教える基礎の基礎から丁寧に解説。工程写真とポイント解説をつけ、入手しにくい調味料には代用品を併記するなど、どなたでもおいしいタイ料理が作れるよう心がけました」

なるほど。では、せっかくタイ料理に挑戦するのであれば、楽しみ方も一緒に知っておきたい!

「暑い国の料理なので、特に夏におすすめです。食欲のない時にこそ、ハーブと唐辛子がたっぷりの海老のサラダやガパオ(豚肉のバジル炒め)を、冷たいビールや炭酸水と一緒にどうぞ」

ということで、本書の巻末に書かれているタイ専門のスーパーマーケットへ赴き、実際にタイ料理に挑戦してみることにした。本書を片手に、ビルの奥まった場所にあるスーパーマーケットに足を踏み入れると、アジア独特の香りがしてワクワクする。なお、本書には調味料の説明が写真付きで掲載さているので、それを頼りに見たことのない調味料たちの中から、お目当てのものを探しだす(どうしても見つけられない場合は、店員さんに聞くと教えてくれます)。

無事に調味料とハーブを購入し、パプリカなどの野菜・肉類は最寄りのスーパーマーケットにて購入。全てを並べると本格さが増して、ますますやる気が出る。なお、今回挑戦するのは、「鶏肉のバジル炒めごはん、揚げ卵添え」と「牛肉のグリーンカレー」の2品。どちらも写真で見ても料理名でも、とってもおいしそう! いざ、調理開始!

本書のレシピ工程を元に調理を進めていく。写真工程なので分かりやすい。キッチンに、だんだんとタイ料理の香りが広がっていく……。うーん、いい感じ。朝ご飯を抜いておいてよかった。


もちろん、タイ料理を楽しむ必須アイテム、ビールもいい感じに冷やしておきます。

まずは、「鶏肉のバジル炒めごはん、揚げ卵添え」から。ご飯の上に乗せた揚げ卵をスプーンでくずすと、中からトロッとした半熟の黄身が出てくる。バジルと鶏肉とあわせて口に運ぶと……お、おいしい! 自宅でもこの味が出せるなんて! 冷たいビールにもぴったり!

さて、続いて「牛肉のグリーンカレー」へ。バジル炒めごはんでうっかりパプリカを使いきってしまったので、プチトマトを代用したのはご愛嬌。それでも、ハーブとのコントラストで色どりがきれい。グリーンカレーをご飯にかけて、スプーンですくっていただく。……こ、これまたおいしい! 初めてなのに、お店の味にもひけをとらない。代用したプチトマトも、意外とまろやかな味わいを醸しだし、グリーンカレーにあう。これは予想外の結果。

初めてでも、自宅でこんなにおいしくタイ料理がいただけるのであれば、どうせなら本場のタイ料理も食べてみたい! もしタイに行くのであれば、タイ料理の他におすすめポイントは何があるのだろうか。

「市場、特に水上マーケットはタイの現地の雰囲気が味わえるのでおすすめです。荷物は小さくまとめ、小銭を用意して行きましょう」

今年は早々と暑い日々が続き、こんな時は涼しい部屋でのんびり……といきたいところだが、本書を参考にあえて汗をかきながらタイ料理に挑戦し、キンキンに冷えたビールと共に味わってみるのはいかがだろうか。(平野芙美/boox)