部屋に入って一息ついて、シャワーを浴びて。
そろそろ寝ようかなと思ったけど、寝る前に外を見たら。
「わあ・・・!」
とてもきれいな月。中庭があったから、ちょっと出てみようかしら。
池に月が映り込んでとても素敵。星もたくさん見える。
空を見上げていたら、背後から人の気配。
恐る恐る振り向くと、チャニョル。
「姿が見えたから」
その笑顔に、安堵のため息。
ホテルのお庭で何があるわけじゃないけど、やっぱりちょっと不安で。
でも、チャニョルがいてくれるなら安心だわ。
「オッパは?」
「スホヒョン? ・・・サウナ」
本当にサウナ大好きなのね。思わず笑ってしまう。
「カイはもう寝てる。ずっと眠かったみたいで、シャワー浴びてすぐ寝ちゃった」
「そうなの」
なんだか、かわいらしい。その姿を思い浮かべて、微笑ましい気持ちになる。
わずかな段差につまずいて転びそうになる。チャニョルが私の腕を引き留めてくれて。
なんとか、転ばずに済んだ。
「あり、がと」
チャニョルは笑顔で首を横に振る。手を離そうとしたら、そのまま脇を締められた。
「このまま、歩こっか」
「え」
「・・・な?」
腕を、組んで。
歩く。不思議な気持ち。
チャニョルはやっぱり優しい。いつも、私に。