■ギョンス 21
なんでイラついてるのか、わからない。
「どうしたの? チャニョル」
驚いている私を見て、ハッとしたように。
チャニョルは口ごもる。
「もう、我慢できないから、言うけどさ」
「……うん」
チャニョルを見上げる。身長差のせいで、いつも。
見上げる姿勢になるのは、いつものことなのに。
チャニョル、真っ赤になってる。なんでだろう。
スッと、チャニョルが近寄ってきて。
両の手の二の腕あたりを、優しく掴まれて。
「あの、さ……、わからない?」
「何が?」
顔が真っ赤で、なんだかとても、うれしそうで。
恥ずかしそう。うーん……と、考え込んでたら。
ふわっと、抱きしめられた。
「みんなと仲のいいギョンスも、好きだけど」
「……うん」
「俺だけを見てくれるギョンスのほうがもっと、好き」
「……うん?」
見上げると、さっきまでの恥ずかしそうな顔じゃなくなってて。
いつになく、真剣な。
「俺の、彼女になってくれませんか?」