何度でも読み返したい自分の中の名作マンガ、小説は? ブログネタ:何度でも読み返したい自分の中の名作マンガ、小説は? 参加中


水葉さんとこ のコメント欄でも書いたんだけど、何度も読み返してる小説はコレ。
イリュージョン―悩める救世主の不思議な体験/リチャード バック
¥1,680
Amazon.co.jp

訳はコレじゃなくて村上龍のやつだけど。

イリュージョン
隣にあるのは大好きなラファティ。ラファティの作品は全部いいけど、この一番最初に読んだ「九百人のお祖母さん」には特別思い入れがある。シンシンと胸に降り積もる不思議な悲しさ残酷さつーか。

一部引用

「もう走れないわ、ブライアン。あなたも走れないわよね。こうして倒れたきり、二度と立ち上がれない。いつ、彼らはここに着くの?」
「海兵隊か?」
「ええ、本船」
「もう、救助には手遅れだよ。海兵隊が一度でも遅れたら面白いのにと、ぼくはいつも空想していた。その願いがやっとかなったのさ。でも、予想していたほど面白いもんじゃない。」
 スナッフルズはまるで人間がやるように吸いがらをポンとはたくと、ていねいにパイプを岩の上においた。それから出てきて、ふたりを殺した--優しい氷山のジョルジーナと、できあいの結末の嫌いだったブライアンを。
 そして、スナッフルズはいまもベロータの王様である。

                    「スナッフルズ」



「面白い論法だ。この町には<面白い論法課>がある。そこに出向いて、記録をとらせたほうがいい。
「いや、ここで記録をとってもらいましょう。あなたがたは幼児殺し、若者殺し、老人殺し、それに自殺を実行している」
「そのとおり。<優しい終結所>えおね」
「あなたがたは、自分たちの非道な標準にあわない子供たちを、どんどん殺している」
「<賢明な選択>だよ」
「あなたがたは新しい邪淫と倒錯行為を発明した」
「<洗練された娯楽>さ」
「悪の中には、大っぴらな悪もあります。また、悪の名を隠し、毒牙を持つことを否定する悪もあります。最高の悪は、毒牙を保ちながら<蛇の名>を変える人びとです」
「われわれが最高であるとはうれしいね。それ以下に分類されたら、侮辱と感じるところだ」
 バーナビィ神父は顔を上げ、だしぬけに言った。
「木材の燃える匂いがする。ここでは、もう木材をつかっていないはずですが」
「いや、一つだけ、それを使う場合がある。めったに行われることのない、古代からの儀式だ」
「というと?」
「小坊主さんよ、わからないのかね?地球の一千万種の一コマ漫画がその行事を描いているのに、きみはまだそれに気づかず、その起源を理解してもいないのか。野蛮人の住む海岸へ漂着した宣教師の、つねに変わらぬ運命はなんだね?」
「あなたがたは野蛮人じゃない」
「われわれは先祖返りするんだよ、小坊主さん。この場合にだけ、先祖返りするんだ。これは、腹立たしい質問をしつっこく繰り返す宣教師に対する、古来からの解決法なんだよ。われわれは腹をたてるわけにはいかんのでね。」
 バーナビィ神父は、とても信じられない気持ちだった。ばかでっかい大釜の中に入れられても、まだ信じられなかった。彼らは宴会のために長いテーブルを並べている----このすべてはきっとなにかの間違いだ!
「ランドマスター!あなたがたは---- おまえたちは---- まさか真剣じゃないだろう!」
「むろん真剣じゃないとも、小坊主さん。これは滑稽な行事だよ。なぜ真剣にやらなきゃならん?宣教師が壷で煮られるのを、滑稽と思わないのかね?」

                   「蛇の名」


俺が好きな小説って、「新鮮な不安」をかきたてられるものが多いかも。
小さい頃から好きなキップリングもそうだなあ。


080813_0954~0001.jpg

"The stars are thin,"said Gray Brother,snuffing at the down-wind."Where shall we lair to-day? For,from now,we follow new trail."

The Spring Running ---Jungle Books

(このセリフは攻殻機動隊1のラストに引用されたと俺内インスパイア疑惑<?)



最後に、漫画はこれをあげとかねばなるまい。

夕凪の街桜の国/こうの 史代
¥840
Amazon.co.jp
名作。みんな読むべし。