前回は→その3

 

まず、今回のお話の中で、トンボはキーポイントになる訳ですが、それには生態を良く知らないとという事で解説していきます。昆虫好きでないとトンボについてここまで考えないと思うのです。しかし、そのトンボの中にこそまさにヒントがあるんです。

 

【トンボが暮らしやすい環境】

 葦原の広がる低湿地は、栄養豊富な止水域である。トンボはご存知のように幼虫時代、ヤゴと称して水中生活をしている。水辺から離れられない存在である。ですので、当然湿地帯の多い米作に向く葦原瑞穂の国で有った日本にはトンボは沢山居たことでしょう。

 

【水辺の種類によって発生するトンボは違います】

同じ水辺と一口に言っても、低湿地の止水域(これが瑞穂の国に多くあった環境です)、河川、中山間の池、河川、渓流、高山池などがあります。各々に適したトンボがそれぞれ生息しているんです。

つまり、瑞穂の国の人々に最もなじんだ葦原のトンボは、低湿地帯で生育するトンボが多く生息していた。

現代では湿地自体がなくなり、水は農薬等の影響で生物が棲めなくなっているケースが多い。

 

それぞれの環境に適したトンボが分布しているが、

高山池や渓流は、廻りも昔のままのところが多く、トンボも昔のままである可能性はたかい。ちなみに日本に生息するトンボ約200種類の中で、系統的にみて古いことで知られているムカシトンボやムカシヤンマは、いずれもかなりの山中のトンボである。

一寸の虫にも五分の魂様、虫けら屋さんの採集写真参照

日本にはムカシってつく古代からのトンボは二種類です。

ムカシヤンマは日本の固有種であり分布も局地的なので、見た事ない方も多いのでは?

数がムカシトンボ同様数が少ないので心配ですね。

オニヤンマ同様大型種で色はオニヤンマより地味でですが、渋い感じが好きな人もいるかも。

こちらは子供達にメジャーなオニヤンマです。配色の違いとかをご覧ください。

ムカシヤンマの幼虫は山間の水の染み出た崖のミズゴケの中に棲んでいる。つまり山に行かないと見られないかもしれませんね(^_^;)ちょっとレアです。見てみたいですね。

日本の大切な古代からの特徴を残すトンボとしてご紹介しましたが、今回の話でもっと重要なのは、ムカシトンボです。

ムカシトンボの配色はムカシヤンマに似ていますが大きさは全く違います。

こちらがムカシトンボです。

体長|約50~60ミリ
成虫の出現期|4月-6月頃 渓流域を飛び回る現在では水のきれいな渓流域が森林の伐採や開発などにより各地で消失しているため、ムカシトンボの生息域は各都道府県に数箇所ほどの割合となっている。

関東近郊だと高尾山にはいる様子です。写真は高尾山HPより

2012年5月このトンボについて非常に興味深い事がわかったんです。

北海道大学などで構成される研究グループは、生きた化石とも呼ばれる日本を代表する昆虫である「ムカシトンボ」の遺伝子を解析した結果、これまでに分布が知られる全ての地域(日本、中国、ネパールヒマラヤ)において遺伝的差異はごくわずかで、同一種内の変異に相当することが明らかになったと発表した。

同成果は、独ゲッティンゲン大学のThomas Hornschemeyer氏、Sebastian Busse氏、Philipp von Grumbkow氏、Susanne Hummel氏、独ゼンケンベルグ自然史博物館のDeep Narayan Shah氏、Sonja Wedmann氏、ネパールベントス協会のRam Devi Tachamo Shah氏、ラオスのJingke Li氏、ハルピン師範大学のXueping Zhang氏、、北海道大学の吉澤和徳氏らによるもので、米国Public Library of Scienceのオンライン雑誌「PLoS ONE」に掲載された。

これが何を意味するか?もうわかった方は居るかもしれませんね。

YAP遺伝子の事をコメント下さった方がいらっしゃいましたが、だいぶ前に私もその事について書きましたが、人間について書く人は多くても、トンボにツッコミをここまで入れるサイトもないでしょうから皆様にご紹介したいと思いました。

そうなんですこの遺伝子の調査の結果は

「大陸が一つに繋がっていた事を示すものです」

パンゲアとか・・・日本古来の神社の口伝は科学的に見ても正しいのではないでしょうか・・・?

 

現代では、余り子供達からも注目されているような昆虫とは言えないムカシトンボですが、実は日本では昔から・・・・というようなネタが有るんです。

次回、そんな興味深いムカシトンボをもっと掘り下げるので、期待してくださいねヽ(*´∀`)ノ

 

続きは→その5