前回は→その4

 

北海道大学:独ゲッティンゲン大学のThomas Hornschemeyer氏、Sebastian Busse氏、Philipp von Grumbkow氏、Susanne Hummel氏、独ゼンケンベルグ自然史博物館のDeep Narayan Shah氏、Sonja Wedmann氏、ネパールベントス協会のRam Devi Tachamo Shah氏、ラオスのJingke Li氏、ハルピン師範大学のXueping Zhang氏、、北海道大学の吉澤和徳氏らの研究成果より。米国Public Library of Scienceのオンライン雑誌「PLoS ONE」に掲載された内容よりの参照です

【一般には知られていない様ですが、実は代表選手です】 

 皆様はトンボと言えば赤トンボ、シオカラトンボ。昆虫採集で見かけて興奮するのはオニヤンマではないでしょうか?私も子供の時にそんな記憶があります。

 

 しかし・・・・前回でご紹介した『ムカシトンボ』は、近年、中国東北部から報告されるまで、ムカシトンボ類は世界中で日本とヒマラヤ地域という離れ、かつ限られた場所でしか棲息が知られていなかった。

(出典:発表論文) より

左は現在の地形とムカシトンボの分布域(左:黒線、星印)

右は、ウルム氷期時の地形と推定されたムカシトンボの分布域(右:黒線以南)

という理由でオリジナリティーが有ると判断されたのでしょう。

ですので、なんと・・・・日本を代表する昆虫の一種と分類されいています。

実際に、日本昆虫学会のシンボルマークとし

ても採用されているんです!

【これが実際のマークです!】

【生きた化石と言われる所以】

ムカシトンボ類は現生のトンボ目の中で最も原始的な特徴を残しており、絶滅した化石トンボ類との類縁関係も示唆されることから、ジュラ紀(約1億9960万年前~1億4550万年前)の残存種と考えられている。

【研究が始められた経緯】

これまでは、このように起源の古いトンボが、遠く離れたごく一部の地域にのみ分布している理由として、ジュラ紀には広く分布していたムカシトンボの祖先が、日本、中国東北部およびヒマラヤのごく限られた地域でのみ、長期間隔離されて生き残ってきたためと考えられてきたが、科学的な調査を元にしたものではなかったことから、今回研究グループは分子系統学的手法を用い、トンボ類の系統関係解析を行うことで、解明をはかった

 

【分析の結果】

※難しい人は青字を読んでね。ニュアンスだけは伝わるようにしてあります

 これまでに分布が知られる全ての地域(日本、中国、ネパールヒマラヤ)のムカシトンボ類を解析に加えて行った。ちなみに、これらの遺伝子のうち、ミトコンドリアCOIIと、核のITS1、ITS2は塩基の置換速度が速く、近縁な種や地域集団間の解析に適したマーカーとなっている。

解析の結果、日本、中国、ネパールのムカシトンボの間に、遺伝的な差異はほとんど見られなかった。この程度の遺伝的差異は、他のトンボの近縁種間の変異よりも明らかに小さく、むしろ同一種内の地域的な差異と同等程度と確認されたという。

※つまり、同じ品種なんだけど、地域によってちょっと差が出来たという事。

 

【つまり日本もヒマラヤも同じトンボがいた事になる。】

日本、中国、ヒマラヤのムカシトンボは、現在ではそれぞれ別々の種とされているが、今回の結果からは、各地域間のムカシトンボの違いが同一種内の地域変異レベルであることが示されることから、古い時代(ジュラ紀)に広く棲息していたムカシトンボの祖先が、それぞれの地域で長期間隔離されて生き残ってきたとする従来の説では、地域間のわずかな遺伝的差異が説明出来なくなることが示された。

※前は、同じムカシトンボの仲間でも違う種別だと思われていましたが、同じものがちょっとだけ、地域に合わせて変化しただけだと限定された。つまりヒマラヤのムカシトンボも日本のムカシトンボも同種という事。

( 'ω'o[ これらの事で何が言えるか?大注目です! ]o

ムカシトンボは寒冷地に適応したトンボで、特に幼虫は水温の低い渓流(夏期16-17℃以下)でしか棲息出来ず、現在の分布もこの条件に合致した地域に限られる。

 

 一方、氷期には、現在では熱帯域にあたるより南の低地に、ムカシトンボの棲息に適した環境が広がっていたと考えられるほか、海水面の低下も起こっていたことから、大陸と日本列島は陸続きになっていたと考えられているため今回の研究で判明したムカシトンボの地域間の遺伝的差異の小ささは、隔離分布の成立がはるかに新しいことを示したものとなると研究グループでは指摘している。

つまりムカシトンボは、約2万年前にピークを迎えた最終氷期(ウルム氷期)には、南アジアから東アジア地域にかけて広く分布する1つの集団を形成しており、そして氷期が終わり地球が温暖になるのに伴い、熱帯や温帯の多くの地域で絶滅し、日本の山地や北の地域、中国東北部、ヒマラヤ山地といった寒冷な地域に隔離され、現在の分布が形成されたと考えられるという結論に至ったと研究グループでは説明している。

※遺伝子の情報からは、各地域の遺伝子の差が地域的差程度のほんの僅かなので、しかもその差が出来たのはは、進化の歴史から考えるとほんのわずかな期間。つまり二万年前程度だという事です。

うちの読者様あたりですと、いやが上にも、洪水で沈んだ地底都市を思い出しませんか?

たかちほが思うに芦原瑞穂の国って、沈んだその部分も含まれていると思うのですが、どうでしょうか?いずれにせよ沖縄の海底遺跡も一万年前なのでにおう所ですね。

しかし、このトンボの研究からも分かる事は・・・・・・

大陸が別れたのは洪水が原因!って事です!

剣山の伝説を思い出しませんか?ここは実は下まで一時期海水域が迫ったいたんです。

前にたかちほは、剣山の下まで水が迫っている様子をビューイングで見て(自分は過去に剣山の上にも行ったことがある様子でした。)実際のデータを調べたんですが、四国は結講水浸しだったんですよ。

今の方が海抜が低いんです!

 

それでは、次回は『ムカシトンボの今』です

 

続きは→その6