先日のこと。
市街地を運転中にふと見上げると秋の空。
薄い水色の寒さを感じるような空に、薄い紫の雲と少し灰桃色の雲が輪郭をまじあわせずに、絶妙な配分で目の前に広がっていた。
「絵みたいな空だな」
そう思った瞬間に何か不思議な感覚を覚えた。
空は、絵のことなんて知らない。
ただ普通に、そこに事象としてあらわれているだけなのに、それを人間が絵に表現したり、写真に収めたりして、モノとして認識している。
この今、私たちに見えている空の形も色も、空にとってはなんの意味もあらわさないし、考えや気持ちなどない。
空は私たちが何かを意識する前から存在していて、ただそこに在る、ということだけが真実。
そう思えたときに、「絵みたいな空だな」というのは、私の驕りだなと感じたのだ。
絵があって、空があるわけでなく。
空があって、絵ができるんだな。
と再認識した昼の出来事だった。
別の話だが、
不思議なもので、すべてのモノは何かフレームに入って、タイトルをつけると、そこに感情やら物語やらが始まる。
最近、ふつふつと感じ始めてるが、その話はまたの機会に。