「「俺の正体?どうせ暴かれるんだ。ついでに言っておく。俺は天上 刀夜だ」」

解除屋の本陣のあらゆるスピーカーから聞き覚えのある声が聞こえた

天上 刀夜・・・(第三話 参照)
「おい・・・。聞いたか獄・・・」

と倭人はタバコを口にくわえ火を付けた

「あぁ、なんかどっかで聞き覚えがあるネームだったな・・・」

「「アイツがこの時代に来てるなんてな」」

倭人はタバコを吹き、獄はため息をはいた

「え?獄さん。いまなんて・・・」

と獅怒が獄に聞いた

「あいつも俺達と一緒って事だ。過去からやって来たんだよ・・・」

「「!?」」

と獅怒と姫花は仰天した表情だった

「開城さん。アンタが過去から来たのは知ってるけど、まさか他にも来てる奴がいるなんて、聞いてませんよ」

と神月が倭人に訪ねた

「んなこと、俺もしらねぇよ」

「「ま、知ってたっちゃ知ってたけどよ。でもこんな再開の仕方するとはァ。考えてねェだけだ」」

これが倭人と獄の率直な感想だった


「「獄に倭人。俺が未来に飛ばされた事は知ってるはずだ。そして、俺が登場する夢も2人とも見てるはずだ」」


((あの突然の夢は、アイツに仕組まれた物だった事だったのか!?))

夢 ※第三話 参照


「「まァ、俺の正体がばれたちまったからなァ。生きて返すわけにはいかねェ。もちろん始(はな)から返すつもりはねェけどなァ」」


すると、本部の大きな扉が開き、一斉に弾幕が張られた

そう、その扉の向こう側には解除屋の武装兵が待ち構えていたのだ

その待ち伏せ攻撃で解明屋の第一部隊と第二部隊の兵が一気にやられた

「くっそォ!隠れる場所がねぇ!」

と倭人が叫ぶ

「解明長!一方的です!」

「わかてらァ!」

その時だった!

いくつものコンテナが下から姿を現したのだ

「ぶっ放てェ!」

と一斉にコンテナの扉が開き、銃弾が飛び出した

下で待機していたバックアップ隊が援軍として出てきたのだ

そして戦局はまたも、逆転した

「解明屋!一気にたたみこめぇ!」

と解明長の叫びによって士気が上昇した


「やはり、解明屋もアイツの考えが染み付いてやがる。力押しの一筋じゃ無理みてェだなァ・・・。でも、この先、待ち受ける刺客達を倒して、俺の本丸を落とすことはできるかァ?」


多くの犠牲を出しながらも、相手の部隊を鎮圧した解明屋と解決屋

「ハァ・・・。ハァ・・・。とりあえず助かった」

「解明長。今の戦いにより解明屋、243人中、31人の死傷者が出たようです」

「そうか・・・。この事件を解決したら全員でご冥福を祈るぞ」

倭人は刀を鞘にしまい、一秒ほど、目をつぶり、手を合わせた

「おい、ヤマト。この後どうするんだ?」

と山崎が近寄って来た

「アレ、見えるか。扉が四つあるの」

「あァ、見える」

「隊を編成して、四つの班を作って突入する」

「わかった」

山崎はその情報をスグに手をメガホン代わりにして伝えた

「ったく、解決屋が主な物語なのによォ。なんでおめェらばっか話してんだよ」

と獄が頭をかきながら言った

「いや、解決屋が主な物語とか言わないでくださいよ。解決屋が一回も出てない話だってあったでしょ」

と獅怒がその言葉にツッこむ

「でも、この後、どうするんだろ?」

姫花が真面目な事を言った

「おめぇらは俺の言うことをきいてりゃいいんだよ」

と解決屋だけで話しをしているところに倭人が割り込んできた

「隊を編成して、あの四つの扉にそれぞれ攻めることにした」

「んで、どんな編成?」

「左から順に言うと、俺と解明者53人。解決屋と解明者50人。神月と山崎さんと解明者52人。他の解明者54人だ」

「おいおい、なんか最後だけ適当だろ?」

「適当じゃねぇんだよ。解明者っても部隊長も含むってことだ」

「ま、いいか」

「「そんじゃ、始めますか」」

と獄と倭人が先頭をとった


「天上様!これから解明屋は四つに分かれて、行動するようです!」

「大丈夫。あの部屋ひとつひとつに、とっておきを用意してある。今頃奴ら、泡吹いて倒れてるかもしんねェなァ」


「なんだ、この女・・・」

「まったく歯がたたねぇ」

「武器も持ってないのに・・・」

「あり得ない!」


「第四隊の通信が途切れました」

「おいおいおい、まだ何一つはじまってねぇつーの」

と獄がだるそうな目で無線機をもっている解明者にツッこんだ

「いや、この部屋に入った瞬間から通信が切れてしまって・・・」

「なに、無線機がぶっ壊れたってか。ちょっと貸せ」

獄はその無線機を貸してもらった

「聞こえてんなら返事しやがれェェ!」

「うっせェェ!!」

と獄が叫ぶと、隣の部屋の倭人の声が聞こえた

「解決屋の旦那。今のはちょっと耳が痛かったでさぁ」

と神月の声が無線機からきこえた

だが、肝心な第四隊の声が聞こえない

「やっぱり、第四隊はとっくのとうに・・・」

すると、獄達がいる部屋の奥にある大きな扉が開いた

「よくここまで、来られたわね。でも、ここで快進撃は終わりよ」

と五十人ぐらいの武装した解除屋の兵を一人の女が割って前に出た

「へぇ。アンタが四天王か、なんか?」

と獄もその女を挑発するように前に頭をかきながら出てきた


その頃、倭人の部屋でも・・・

「僕を倒してから先に行くんだ。」

と獄の部屋と同じ、登場の仕方で女が出てきた

「フッ・・・。そんな古ぃ言葉つかって恥ずかしくねぇのか?」

と倭人は新しいタバコを口にくわえた


当たり前のように神月、山崎の部屋でも

「ウチに勝つにはあと百年はやいわ」

ここも獄の部屋と同じ、登場のしかたで一人の女が出てきた

「そのセリフ古ぃよ。なぁ刃」

「ほんとでさァ」

とここの二人も挑発した


そして、四つ目の部屋・・・

部屋の中心で一人の女が立っていた

その女は片目を包帯で覆っていた

そう、弥勒院 龍緒だった