5・6・7・8月 | EK&

EK&

回復系呪文なんでもいいからかけてください。

9月になったら家を探さないといけない。
みたいなことを随分前に書きました。

本当にそのつもりで居たのですが、気が変わったのが5月の頭頃。
ここいいなあ~と思って一ヶ月くらい眺め続けていた物件があったのです。
しかし、絶対に不可能だと思っていた。先に入居される可能性が高かったし、
もし、ずっと空いていたとしても最短で9月になってしまうだろうと。

6月に入るや否や、ハル子が仕事のおつきあいも兼ねて先行してその物件を見る機会を得、
実に唐突に「今日、見てくるね」と言ってきたときには度肝を抜かれたもんでした。
何せ、ハル子は慎重派なものだから。
“仕事の付き合い”でもなかったら、絶対にあり得なかったはず。

私も翌週の日曜日に見に行きました。
その日の内に決断し、7月1日から住める権利を獲得しました。
すごい勢いで決まったのはいいのですが、仕事の都合上、すぐに行動を起こすことは出来ず、
結局、引っ越したのは7月30日。ハチャメチャ暑い盛りでした。

8月は荷解きや新居の整備に明け暮れて終わりました。
空白の4ヶ月はそんなところです。



9月か。早いものだ。

今の家に引っ越してから丸1ヶ月経ちましたが、
今回の家に関してはまるで呼び込まれるように歓迎されながら入居しただけあって、
随分と居心地がいいです。

ただ、やっぱりあの世の人も付いて回ります。
古そうな、どしっとした、まるで重鎮みたいな風情を醸し出す、
恐らくお侍さんであろう男性の霊が名乗ってくるんですわ。
ただ、名乗ってくるだけ。他は何も言わないの。
はっきりと名指しで慰霊してほしいってことなんだろうと受け取っている。

二週間おきに二度来た。同じ人だった。
「土方」って、ただそれだけを名乗る。
なぜか毎回早朝に来るww

ちゃりで10分くらいのところに土方さんの墓碑があるが。
日野の方じゃありません。もう一個の方。
新撰組総じての墓碑?慰霊碑?も場所は違えど同じ町名に存在しているのですが、
まさかなあ。

でも、このことがあってから、ハル子といろいろ話していたら、
日野(土方さんの生家)や調布(近藤さんの生家)、新宿(試衛館)、小石川(伝通院)、
中仙道などといった縁の地を随分と私たち二人とも知らず知らずのうちに
生活圏として踏込んで生きてきた自覚があって面白くなってきた。

でもねえ、幼少期の私に取っては、土方さんの墓碑よりもお岩さんの墓碑のほうが
「うひゃー!」と思う対象だったので、高校時代にバイトしていた大福屋の柱に
うんたらかんたら中仙道~って書いてあるのを目に留めたときくらいしか、
そこが縁の地であることを感じることなんて全くなかった。

それにさ、土方さんに関しては、こんな逸話がある。
当時、切腹させた隊士が夜な夜な化けて出て、近隣の人を怖がらせているという
噂が立ったことがあったそうで、それを聞きつけた土方さんは、
「生前、新撰組に恥をかかせ、死して尚も恥をかかせるか!」と激昂し、
その隊士の霊を斬ってやろうと墓の前で一夜を明かしたことがあったそうです。

当時、真の侍は化けて出ないと信じられていたらしいよ。
大義の為ならば死ぬことも厭わない、大義の為に覚悟をもって命を賭したってことらしい。
国の為にはった命に悔いなどなく、化ける必要がどこにあるのかってところだね。
まあ、解る気もするけど。

そんなわけで、うちに来る土方さんは、きっと違う土方さんだわ。
そもそも、こんなに国を挙げて慕われているお人が、
浮かばれていないわけないよって勝手に思ってる。