こんにちは、土井英司です。

 

金足農業高校、今日も勝ちましたね!

 

ついに決勝進出。明日勝てば、秋田県勢初の優勝旗となります。

明日、秋田県に観光に行く方は、14時〜16時くらいまで、何のサービスも受けられないと思った方がいいでしょう(笑)。

 

ここまで、今大会No.1エースと言われている吉田輝星選手の大活躍と、強力打線のパワーで、幾多の競合を破ってきた金足農業高校ですが、明日は強豪中の強豪、大阪桐蔭高校と対決です。おそらく簡単な試合ではないと思いますが、ミラクルを期待しましょう。

 

いつも高校野球を観るわけではなく、じつは昔、金足農業高校が桑田真澄選手と対決した時以来の熱狂ぶりで、ほぼ全試合を見ていますが、今回の金足農業高校には、明らかにこれまでとは違う強さがあります。

 

それをひとことで言うと、「友情」。

 

少年ジャンプが「売れる要因」に分類している、アレです。

 

エースが「輝星」、一番バッターが「天空」、四番バッターが「打川」、キャプテンが「大夢」、俊足バッター「彪吾(ひゅうご)」という、本当に少年ジャンプに出てきそうなラインナップに加え、エース吉田の白く光る歯も魅力的ですが、こんなキラキラな彼らが強い友情で結ばれているというのがまた美しい。

 

勝負事ですから、毎回エラーも出るし、失策もある。でも、そんな状況が出現する度に、彼らは「あいつを落ち込ませちゃいけない」と言わんばかりのファインプレーをするのです。

 

横浜戦、味方のミスの後の、まさかの3ランホームラン、援護を受けた後の吉田の好投。近江戦、9回裏、まさかの2点スクイズ…。

 

ものすごい試合を毎回、見せてもらっていますが、このチームには、味方のミスの後の気まずい雰囲気がまったくない。その理由が、今日の監督のインタビューで明らかになりました。

 

「スクイズ失敗は私のミスです」とあっさり言い切った監督の清々しいコメントに、なぜ彼らがこんなにも気持ちいいのか、なぜ強い絆で結ばれているのか、わかった気がしました。

 

日本の組織のダメなところは、「上に立つ人は失敗をしていけない」という呪縛にあるのだと思います。だから、ミスがあっても認めないし、隠蔽する。でも、上に立つ人だって失敗する、ということを下が認識することで、仮に失敗しても、みんなでカバーすることができるのです。

 

勝負で明らかにわかっていることは、みんな一定の確率でミスをするし、一定の確率で活躍するということ。であれば、一喜一憂せずに、淡々とこなした方がいい。自爆を防ぐだけでも、勝利の確率は上がりますし、むしろミスの後でも団結が崩れないことを示せば、相手が気圧されるものなのです。

金足農業のすごいところは、味方がミスをしたら、カバーするために燃える、味方が活躍してくれたら、それを受けてさらに燃える、というところです。

 

だからこそこのチームには、底知れぬ強さ、恐ろしさを感じるのです。

 

男にとって友情が大切なのは、おそらく組織を作る生き物である男にとって、それが決定的に重要だからでしょう。

 

誤解を恐れずに言えば、友達を裏切っても幸せを取るのが女。幸せを捨ててでも友情を取るのが男だと思います。

 

強力な友情で結ばれた金足農業高校ナイン。

 

明日のご活躍を、期待しております。

 

13時から14時までアポイントがありますが、時間ちょうどに終えて、観戦したいと思います(笑)。