こんにちは、土井英司です。

 

先日、Facebookで人の文章をシェアしてばかりいたら、

博多のラジオでお世話になったLinda Akicoさんに、

「土井さんの文章もぜひ」と指摘されたので、

ひさびさにブログ更新です。

 

ちょうど先ほど知人が、「自分の軸なんてなくていいんだ」

的主張をしていたので、これに関する土井の意見を記して

おきます。

 

「軸」というのは便利なもので、決めておけば判断に迷い

ません。即断即決が可能になるのです。

 

ただ問題は、軸が間違っていれば、

「堂々と間違うことがある」ということ。

 

出版の世界ではよくあることですが、著者や編集者、デザ

イナーが時代の価値軸を読み間違うことで、「従来の正解」

が大コケすることがある、などがそうです。

 

経営や投資における「損/得」の軸は明確で、ほぼ間違い

ません。「株価が○円を下回ったら買う」「○円を上回っ

たら売る」などは、わかりやすい例でしょう。

 

ただ、株に関しても、ここまで未来の価値が株価に反映す

るようになると、果たして軸が明確かどうか。

 

新しい技術や競争環境が出現したら、戦略を臨機応変に変

える方が、賢いかもしれません。

 

ベストセラー『「超」入門 失敗の本質』で、著者の鈴木

博毅さんは、こう述べています。

 

「戦略とは追いかける指標のことである」

「同じ指標ばかり追うといずれ敗北する」

 

『永遠の0』は、素晴らしい小説・映画でしたし、土井も

大好きですが、ああいうヒロイックな感情が日本を敗戦に

導いてしまった、というのは戦略家なら知っておくべきで

しょう。

 

日本軍は、「軽量化」や「スピード」を重視しすぎて、競

争環境が変わった時も機体を強化せず、それが敗北につな

がっていきます。前提が変われば、軸は変えなければいけ

ないのです。

 

結論から言うと、条件が一定なら即断即決できる分、軸は

あった方がいい。そして心理学における「一貫性の法則」

が働くため、軸は一定の方が人に信用され、ブランドが成

立しやすい。

 

しかしながら、環境変化が激しい時、あるいは期間が長期

に及ぶため、自ずとその間に変化が起こってしまう場合は、

軸は変更せざるを得ない。

 

だから、軸を持つことも、臨機応変に対応することも、ど

ちらも正解なのです。

 

ただ、「人生100年時代(長期)」で、かつ変化が激しい

今日の環境を考えると、軸は「臨機応変に変える」が正解

です。自分自身の価値観が変わることもあるでしょう。

 

食べ物に関して例を挙げると、

 

若い頃は、「量で決めていた」のが、

お金を持って「味で決める」になり、

歳を重ねて「健康かどうかで決める」になるなどがそうでしょう。

 

ポイントは、軸を変えると「信用されなくなる」ということ。

 

では、どうやって信用を担保するか。

同じ価値観を共有する別のコミュニティに移るのが良いの

ではないかと思っています。そこでブランドを再構築する

のです。

 

そこで結果が出せれば、人の反応は変わります。

 

だから今、迷っている人は、自分のリブランディングを始

めましょう。

 

ということで、自分の軸はあった方がいいか、ない方がい

いか論争、これにて決着です。

 

みなさんの意見もお聞かせください。