約一年ぶりにアテネ、エレフテリオス・ベニゼロス空港に降り立った。


空港に降り立った瞬間、「空気が好き」と思えるのは、ギリシャと山口しか、これまでに経験がない。それだけ空気感が好きだということなのだろう。


人は「好き」に理屈を求めたがるが、「好き」というのは、秋の心地良いそよ風のようなもので、われわれに何度もストローク(愛撫)を送ってくるもののことだ。


つまり、「好き」は、一見変わっていないようでいて、更新し続けるものである。


あなたが好きなアーティストのライブに行った時、好きな曲を聴いて「やっぱり好きだな」と思う。その瞬間、あなたは「好き」を更新しているのである。あるいは素敵な女性とデートしていて、彼女との知的な会話に魅せられている時、あなたは「やっぱり素敵だな」と思う。

 

そう、「好き」で居続けるものには「やっぱり」が伴うのである。

 

なんでこんなことをわざわざ書いているかというと、一年前、「ギリシャにはもうしばらく来ません」と断言してしまっていたからだ。だが、今回は投資用の不動産探しの旅である。ビジネスなら許されそうなものだが、やっぱり言い訳がいるだろうと言うことで書いている。

 

で、そんな建前を武器に来てみたら、「やっぱり好きだな」になってしまったわけである。

 

正直、この土地に住むかどうかは、定かではない。良い不動産が見つかるとも限らない。東京で賃貸用の不動産を探すのにも1年かける慎重派である。たった一回の訪問で運命の不動産に合えるなど、そんな甘いことは考えていない。10回訪問して、交通費を150万円はかける覚悟で、探そうと思っている。

 

やっぱり好きなギリシャ・アテネから。