皆様、こんにちは
えー、またしても、ご無沙汰しておりまして
今週の月曜日は、イギリスは祝日でしたので、
前週の金曜日もお休みを取って、
またスコットランドへ行っておりました
(いや~、だって家具決めるのに、自分の好みも言いたいしー)
5月の初めにも祝日を利用して4日間行ってましたが、
イギリスは5月には祝日が2回あるので、
旅行シーズンと言えますねー
おかげで、取引先に、人がいない、いない
(日本もゴールデンウィークがあるので、一緒ですね)
ちなみに、今週は、スクールホリデーなので、
朝のバスも空いております
祝日の名称は、
5月の第一月曜日が、
Early May Bank Holiday
(メーデー・バンク・ホリデー)
そして、第4月曜日が、
Spring Bank Holiday
(スプリング・バンク・ホリデー)
と
なんとも、味気のない名前です。
何かもっと、こうシャレた名前は付けれなかったのか?
と思いますよねー
(他も、Good Fridayとか、
Summer Bank Holidayとかで・・・)
それに比べ、日本の祝日の名前は、
バラエティーに富んでいて良いですね
さて、5月も早、終わりに近づきまして、
イギリスの日もだいぶ長くなり、
夜の9時半頃までは、明るくなりました
日差しも日増しに強くなり、
吹く風にも心地よさが感じられる、
今日この頃
お昼休みもなんとなく、
外へ出てお散歩したくなるのは、私だけではないでしょう
いつもは、オフィスの近くの
Cafe Amore というところで、
パニーニを食べてまったり過ごすのですが、
今日は、ちょっと Park St の方まで足を運んで・・・
お店を見たり、ふらふらして、
久々に、Banksyの絵を観ました
お引越しが決まってから今まで、
Bathを離れる事ばかりさみしく思っていましたが、
当然、Baritolに毎日通勤することもなくなるので、
Banksyの絵を観ることも、
そうそうなくなるんだな。
と、改めて感じましたので・・・、
こっちにいる間にご紹介させて頂きます
世界中で有名な、天才画家
Banksy (バンクシー)
ブリストル出身の、アーティストです
どれくらい有名かと言うと、
最近では、あのアンジェリーナ・ジョリーも、
大枚をはたいてようやく、彼の絵をゲットしたほど
しかし、彼自身は、絵画を売ることによってお金を得る事は好まず、
ソニーや、マイクロソフトといった
世界のトップ企業が、こぞって、彼に
宣伝用の絵を描いて欲しいとオファーを出してきても、
すべて断わっています。
イギリスのセレブや、俳優にも彼のファンは多く、
新居の豪邸の壁に、絵を描いて欲しいとの依頼も、
あっけなく断られたと、新聞で読んだこともあります。
また、彼は自分の素性を公にさらす事を嫌い、
これほど有名になった今でも、
彼に関しては、
ブリストル生まれで、男性であるという事以外、
何ひとつ確かな情報は無く、
友人により、
本名は、Robin Banks(ロビン・バンクス)
であると証言されたこともありますが、
Robert (ロバート)であるという説もあり、
名前すら不確か
昨年の夏には、
ついに、彼の素性が明らかになった!とイギリスで報道があり、
それによると、
本名は、
Robert・Cunningham で、
ブリストル出身の、1973年生まれ、だと伝えられました
しかし、これまでで唯一、彼と対面し、インタビューに成功した人物によると、
2003年当時、彼は28歳だったと発言しており、
そうなると、1975年生まれの計算になるので、
これも、確かな情報ではありません
(ちなみに、報道されたこの本名も、
彼のエージェントによって、否定されています。)
そんな謎に包まれた人物の絵を、
私は今日、実際に、
ふらっとお昼休みに この目で観て来たわけですが
さて。
どうやって?
彼の絵は、
世界最古のオークションハウス、
ロンドンのサザビースで競売に掛けられた時には、
数千万円の値がつくほどですよ?
(そういえば、ハンター×ハンターのオークションもここだったような)
答えはシンプル
道を歩いていたら、ありました。
(お!バンクシーの絵、発見ー!)
このブログの品位が疑われそうな作品でございますが(笑)、
これはBanksyの
Love Cheat という作品
その名の通り、浮気現場の絵ですね。
3年前に、ブリストルのパークストリートにある
建物の壁に、
勝手に描かれたものです
(それって落書きじゃん!)
この一枚ですでにわかりますね
彼はユーモアたっぷりな、風刺画を描くのです
しかし、彼の芸術はこれだけでは終わりません。
中には、ユーモアでは片付けられない場合もあります。
彼は、通称 芸術テロリスト と呼ばれていますが、
それもそのハズ、
過去に彼は、
ニューヨーク近代美術館、
メトロポリタン美術館、
ブルックリン美術館、
アメリカ自然史博物館
イギリスの国立美術館 テート・ブリテン
など、世界の名だたる美術館に、
無許可で
自分の作品を展示してしまいました。 ひぇ~
しかも、作品の解説文まで添える懲りよう!(笑)
何とも、
度の過ぎたイタズラをするかと思いきや、
アートとしての品質は確かなものであり、
中には気付かれず、
発覚までに数日を要したところもありました
また2004年に彼は、
エリザベス女王の顔を、ダイアナ妃に、
”Bank of England” イングランド銀行
(バンク・オブ・イングランド)
の文字を
”Banksy of England” イングランドのバンクシー
(バンクシー・オブ・イングランド)
に変えた、偽造の10ポンド紙幣を大量に作成し、
(オイオイ・・・)
これが、ノッティングヒル・カーニバルの人込みに向かって
ばら撒かれる、という事件も起こりました。
拾った人の中には、
実際に、お店で使おうとしてしまった人もいたと言います
(しかし、その後、ネットオークションでは、
4万円(£200)ほどの値がついていますので、
£10紙幣より遥かに価値が高いと言えます。)
これらがなぜ、バンクスキーの作品であるとわかるかと言うと、
それが彼にしか描けない芸術品である為です。
(この紙幣については、
彼の展示会への招待状にも同封されていた(笑))
しかし、いくら芸術性が高いとは言え、
彼の行為は犯罪すれすれ、(というかアウト?) なものばかりですが、
メインは他にあります
今日、見てきた彼の絵も、壁に描かれていたと書きましたが、
そうです。
彼は主に、
世界中のどこかの壁に勝手に絵を描きます。
そのため、時には、
他の落書きと同じように、役所によって消されてしまうこともあります
そんな経緯からか、絵の中には、
「清掃員が絵を消そうとしてる絵」
というのも多く見られます
こんな感じで
↓
かわいい・・・
このように、ユーモアに富んだものもあれば、
反資本主義、反権力主義など、
政治や社会を批判するような作品も多くあり、
その強いメッセージ性はしばしは、社会問題として取り沙汰されます。
ちなみに、ブリストルの上の絵のすぐ近くに、
こちら
Sniper and Child もあります。
(スナイパーと子供)
↓
Google のストリートビューでも発見できます
よく見ると、スナイパーの後ろの子供は、
手には、お金でも入っていそうな袋を握り、
「早く撃ってくれ」とでも言わんばかりの、
せかすような表情をしています。
しかも、冗談では済まされないことに、
このスナイパーの狙う先、道路の反対側の建物は、
ブリストル ロイヤル病院の 小児科病棟です・・・
子供は、すぐに悪口で、「死」 などの言葉を軽々しく口にしますが、
その想いを絵にしたら、こうなるでしょうか。
この絵を見た時に、私はそう思いました。
この絵もまた、ここに描かれた直後に新聞で話題となりましたが、
じっくり見てみると、おかしな点に気づきます。
スナイパーは、ライフルを、
彼の右肩に乗せていますよね
ということは、
右利きであり、持っているのは右利き用の銃です。
ところが、このスナイパーは
おかしな事に、
右手で銃を持ち、
左手を引き金に添えています。
これでは、どんなに狙いを定めても、対象物には当てられません。
これは、RAF (ロイヤル エアホース (イギリス空軍))
で長年勤務した76歳の男性が、
絵を見てすぐに気づいた、”間違い”であり、
「このスナイパーは、まったく間違った銃の持ち方をしている。
これでは、まぐれでも、
病院の壁に当てるのがやっとだよ、
兵士がこんな風に誤って銃を持つ事は、
絶対に有り得ない」
と、言及した上で、
「彼はきっと、写真か絵か何かを見て真似して、
間違った銃の持ち方を描いちまったんだろう」
(新聞記事より抜粋 訳:私 )
と付け加えました。
果たして、
本当にそうでしょうか?
兵士だって、
「本当は撃ちたくない」
「当たって欲しくない」
のかもしれません。
真実がどうであれ、この絵のスナイパーに、
「当てるつもり」 はないと言うことです。
しかし、バンクシーの素性がわからない以上、
誰にも、彼の絵に込められた真意はわかりません
(ほかにも銃を手にした人物が登場する絵は多くありますが、
それらでは、正しく持っています)
バンクシーの作品にはまた、ねずみが多く登場します
ねずみの場合は、比較的、ユーモア の方が多い気がします
「NO BALL GAMES ALLOWED」
「ここでボールで遊ばない」
の看板の横の壁に、
ボール遊びをしているネズミの絵など(笑)
そして、彼の公式サイトからびっくりするものも発見しました
世界各地に、作品を残している
(言い方を変えると ”落書きしてる”)
とは知っていましたが、
日本にも訪れていましたかー
(大阪在住の方で、発見された方は教えてください)
壁の絵ばかりでなく、
キャンバスに描くこともあるようです
あらー、綺麗な景色・・・・
かと思いきや、そこに佇み、八方を監視する、CCTV。
そして、こちらも、
川があって、森があって、
澄んだ青空と・・・
自然の風景に、不釣合いな看板
しかも、その内容をよく見ると、
「目撃者を探しています
事件!
9月24日の金曜日、午後2-3時頃、
このあたりにいた方、
下記の番号にかけて、交番へ連絡してください。
何か、見ました?聞きましたか?」
と書いてあります・・・
一体何が起こったのか、
一気に不気味な絵になりますね。
彼の事をいろいろ検索するうちに、
絵に対する情熱を感じた事件にたどり着きました。
日本のウィキにも日本語で載っていたので、そのまま抜粋します。
(以下、Wikipediaより)
2005年、彼はヨルダン川西岸地区の
パレスチナ側 分離壁に、
子供が壁に穴を開けている絵や
穴の開いた壁から見えるビーチなど
9つの絵を残した。
バンクシーのスポークスマンによると、
「イスラエルの治安部隊は空に向けて発砲で威嚇をし、
かなりの銃が彼を狙っていた」とのこと。
2005年といえば、アメリカはブッシュ政権の元、
パレスチナの政権を、テロ組織と見なし、圧力をかけていた頃では?
そんな状況下のピリピリした国で、
多数の、銃を向けられながら、
国を分かつ壁に 落書き
正気の沙汰とは思えません。
お金の為ではなく、
室内でキャンバスにではなく、
人の目に付く、外の壁に
人が集まる美術館に
そうまでして彼が
絵を通して伝えたいものは何なのか
それともただの、いたずら好きなのか。
彼の真意は、
誰にもわからない。
バンクシーの公式ウェブサイト
これを見ると、女王の顔や、くまのぷーさん、ミッキーなど、
「こんなの描いていいの?」
と思うようなものも出てきますが、もちろん無許可でしょうねー
そして、公式ホームページ、
しかも、画家のギャラリーにしてはめずらしく
絵画の画像が簡単にコピー出来てしまいます。
著作権のお金に興味がない彼にとっては、
訴えて、お金を得る気はないからでしょうか。
世界のトップ企業からの
何千万、何億という金額のオファーに、目もくれない彼です。
お金に興味を持たない、
お金に縛られない
その生き方は素敵だなと思います
じゃ、暗い絵が多かったので、
かわいい絵でも
おめかしして、レストランへ出掛ける、ねずみ
↓
と、
こちらも、ユーモアたっぷり
これは、ペンキ塗りのおじさんが、
黄色いペンキで、壁に花の落書きをした絵
ですが、
よく見ると、その花は、
向かって左側の道路に引いてある
ダブルイエローラインから、続いています(笑)
ダブルイエローラインとは・・・、
道路に引かれる道路標識のひとつで、
イギリスにおける意味は、
"No Parking at any time"
いかなる時も駐車禁止
です。
おじさん、ラインを引いて、
最後にそんなかわいいの書いちゃったのね!
と、ウケます
こんな、強い芸術性を持ったアーティストである、
バンクシーの作品は、
ブリストルの街中でも、数点見られ、
ロンドンにも、
また、世界中の至るところに、数多く存在しています
もし、近くを通る機会があったら、
ぜひ、じっくり眺めてみてください
いつも応援ありがとうございます
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では、またー
そういえば、やっぱり夜に描くんでしょうかね?
昼間に描いてたら、正体バレちゃうし。
バレてなくても、落書きしてるって怒られるし(笑)