ふんわり風船ハート みぶき えみ@月の記憶の声を聴く人

   

月の記憶の声を聴きながら綴る

みぶきえみの世界観🌙

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前のお話

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小学校の高学年になると

自分が置かれている状況を

色々と理解するようになった。

 

自分は愛人の子供だということ。

 

ギリシャ神話の中で

ゼウスの正妻ヘラが

 

ゼウスと他の女の間に生まれた

ヘラクレスを殺そうとするという

物語がある。

 

 

自分とヘラクレスが重なって感じられ

「生きていること自体が罪」だと

思うようになっていった。

 

けど、頑張って

ヘラクレスの様に勇敢に生きれば

許されるのかもしれないと思っていた。

 

けど、この苦しい気持ちは

誰にも打ち明けることができなかった。

 

子供だった私がとった行動は

グルグル回る苦しい思考から逃れるために

 

暗記をするといことだった。

 

文字を読み、暗記をしている間は

苦しい思考は、どこかに消える。

 

ひたすらに、目の前の文章を覚えていった。

 

読むものは何でもよかった。

 

お気に入りだったのは辞書。

 

 

物語と違って、感情が揺れることもなく

ただ淡々と読んでいく。

 

辞書や百科事典は

調べるものではなく、読むものだった。

 

別に勉強が好きなわけじゃなかった。

 

けど、私のこの行動は

良い成績への後押しとなるものだった。

 

だったら、結果的にはよかった・・・

 

とはならなかった。

 

中学生になってから

さらに、苦しい思いをすることに

つながっていくんだけど

この時は知らなかったよね。

 

 

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