前のお話
高校2年生の頃
父が入院して、お見舞いに行った。
4歳の時に別れて以来の
13年ぶりの再会だった。
肝臓がんで入院していた
父のお見舞いだと思っていた。
けど、実際は
病気入院のために、滞っていた
仕送りをもらいに行くためだった。
病気の父に、お金を取り立てる。
気持ちはとても複雑だった。
そして、17歳だから
その時のことは覚えているはずなのに
何も思い出せない。
どんな病室だったのか
個室だったのか大部屋だったのか
どんな会話をしたのか。
そんなに、思い出したくないことが
あったんだろうか。
このころ、
実は、私は愛人の子供ではなく
母は本妻だったって知った。
愛人の子供として
肩身の狭い思いをして育った自分は
そうじゃなかったっていう安心感も
確かにあった。
けど、「産まれてきちゃいけなかった」
っていう思いは
消えることはなかったんだよね。
大人になってから、脳科学を学んで
なぜ、こんなことが起こったのかを理解した。
愛人の子供→産まれてきちゃいけなかった
→私には価値がない
このパターンは、脳内に作られ
最初の理由なんて関係なく
産まれてきちゃいけなかった
→私には価値がないってパターンだけが
強く刻まれていたのだ。
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