ふんわり風船ハート みぶき えみ@月の記憶の声を聴く人

   

月の記憶の声を聴きながら綴る

みぶきえみの世界観🌙

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前のお話

下矢印

 

 

 

 

自分の未来が全く見えなくて

絶望していたころ

私は飲食店でアルバイトをしていた。

 

そこに、やって来る人と

自然に話をするようになった。

 

 

彼は、宇宙のことが好きで

月や星のことを

いろいろと話してくれた。

 

 

私はその時間が

とっても楽しみだった。

 

すべての現実を忘れさせてくれる時間。

 

新しい世界。

 

私にとっては

今まで感じたこともないような

楽しい時間だった。

 

私たちが親しくなるのに

そう時間はかからなかった。

 

いつの間にか

お店の外でも会うようになり

 

その度に、教えてくれる

宇宙の星や月の話が

大好きだった。

 

私も夢中で

子供のころ見ていた

月の話をしていた。

 

夜中に見える三日月が

心の支えだったこと・・・

 

そして、この時の彼の一言を

私はずっと覚えている。

 

 

「真夜中に三日月は見えないよ。」

 

 

そして、それがどういうことなのか

紙に書いて教えてくれた。

 

 

あの頃は子供だったから

空が暗くなった時間を

真夜中だと思っていたんだろう。

 

そして、暗闇に輝く三日月を

真夜中に見たって、思ってたんだろう。

 

けど、そんなことより

三日月を眺めていた心細さや淋しさを

わかってもらえたようで、嬉しかった。

 

 

 

 

 

次のお話

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