ふんわり風船ハート みぶき えみ@月の記憶の声を聴く人

   

月の記憶の声を聴きながら綴る

みぶきえみの世界観🌙

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前のお話

下矢印

 

 

大学には行けないと思い始めた頃

母も、私の進路を模索していた。

 

けど、明確な答えは見つからなかった。

 

その頃、父と母は

正式に離婚していなかったため

奨学金を受けることも難しかった。

 

16歳の多感な私は

子供のころのように

現実の私とは別に

 

空を眺めて

非現実的な妄想をすることで

なんとかバランスを

取っていたのかもしれない。

 

時には、学校に行きたくなくて

派手な格好をしては

 

幸せな幼少期を過ごした場所へ

遊びに行ったりしていた。

 

その頃、流行っていたのが

「ヤヌスの鏡」

 

 

まじめで

おどおどしたタイプの

裕美(ひろみ)という女の子は

 

派手で怖いのも知らずの

裕美(ゆみ)という人格も

持っているという、2重人格のお話。

 

私も、通常の生活の中にいる自分と

すべての物から解放され

知らない土地にいる自分の

ふたりが存在するようで

 

どうしたらいいのか

わからなくなっていた。

 

そして、私も名前も

恵美(えみ)恵美(めぐみ)って

読めるから

この物語に、重ねていたのかもしれない。

 

子供の頃に

鏡の中の別人格と

話していたというのも同じだったし。

 

今にして思えば

大学に行けない人はたくさんいるし

それで人生のすべてが

決まってしまうわけじゃない。

 

けど、その頃の私は

自分のすべてがなくなってしまうような

気がしていたんだと思う。

 

 

目の前に光が見えなくて

絶望していた。

 

 

けど、絶望なんて言葉は

こんな状況には似合わないこと

この後思い知ることになる。

 

この時の絶望は黒。

 

けど、この後、私が感じた絶望は

まぶしいほどの白だった。

 

下矢印絶望って白いんだね。

 

 

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