ふんわり風船ハート みぶき えみ@月の記憶の声を聴く人

   

月の記憶の声を聴きながら綴る

みぶきえみの世界観🌙

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前のお話

下矢印

 

 

20時が門限だった寮生活。

 

その時間を過ぎても

外を歩いている人たちを

窓から眺めては、羨んでた。

 

20時以降に

どこかに行きたいっていう

明確な目的なんてなかった。

 

 

ただ、20時を過ぎて

外に出たかった。

 

 

私たちの寮は5階建てで

1階から3階までが学校

4・5階が寮だった。

 

1日が、その建物の中で

完結してしまう。

 

だから、外に出る方法を

必死に考えた。

 

寮の4階の1室には寮の先生の部屋。

 

1Fの玄関は、内側からは

鍵が開けられるけど

開けたら開けっぱなしになる。

 

早朝に、玄関を開ける

寮の先生にばれてしまう。

 

1Fにある、ボイラー室を通って

外へ出る方法もある。

 

こっちは、ドアを閉めると

鍵がかかってしまうので

開けてくれる人が必要だ。

 

だから、20時を過ぎて外に出るには

協力者が必須!

 

帰る時間を決めておいて

ドアを開けてもらう。

 

外に出て何をしてたのかっていうと

ご飯食べて、ディスコ行って・・・

みたいな感じ。

 

 

特別なことをするわけじゃないけど

20時以降に外にいるっていうのが

特別感満載だった。

 

夜の街の華やかさと

楽しい笑い声の中でも

私の気持ちは孤独だった。

 

川辺にひとりで座っている時より

大勢でにぎやかな場所にいる方が

孤独感は膨らんでいった。

 

この孤独感から抜け出したいと

必死にもがいていた。

 

 

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