ふんわり風船ハート みぶき えみ@月の記憶の声を聴く人

   

月の記憶の声を聴きながら綴る

みぶきえみの世界観🌙

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前のお話

下矢印

 

 

看護学校に入って数か月。

当時はコンパが流行ってた。

 

正直、知らない人と会うことなんて

何の興味もなかった。

 

けど、同室のメンバーでのコンパは

断れるはずもなかった。

 

だって、先輩たちが4人も

いるんだから。

 

場所は、確か

ディスコだったように記憶してる。

 

自信がないけど。

 

 

その時に出逢ったのが

のちに夫になり

 

 

息子たちの父親である人。

 

 

別に恋愛ごっこが

したいわけじゃなかった。

 

けど、18歳の女の子を演じるなら

恋愛ごっこをしても

いいかもしれないと思った。

 

私たちは

まもなく付き合うようになり

普通の恋愛をするようになった。

 

当時は、携帯なんてない時代。

 

寮にあるのは、2台の電話だけ。

10円玉を何枚も持って

みんな並んでいた。

 

 

外からかかってきた電話は

全館放送で、呼び出されるため

 

誰に何回電話がかかってきたのかは

みんなが知っていた。

 

私は、相変わらず

学校にいても、寮にいても

彼とデートをしていても

 

 

ちゃんと18歳の女の子らしく

できてる?って

 

 

そのことで、頭がいっぱいだった。

 

彼と、あちこち行く時間は

だんだんと

楽しく感じるようになっていった。

 

けど、それは

砂漠に1滴の水を垂らすようなもので

瞬時に消えていった。

 

そして、一瞬でも

楽しいと思ってしまったことに

自己嫌悪を感じることもあった。

 

だけど・・・

私は裏切られたんだから

恋愛をしても当然だっていう

気持ちもあった。

 

自分の本当の気持ちが見えなくて

でも、誰にも相談できなくて

心は、バラバラになりそうだった。

 

 

そして、感情を

閉ざすということが

一番の解決方法のように思えた。

 

 

今でも、時々考える。

 

あの頃の私を抱きしめたいって。

 

すべのことに希望が見いだせず

まるで、流されて

生きているようだった。

 

毎日、寮から学校へ降りて

授業を受けて

寮に戻って、ご飯を食べて。

 

同級生とは、仲良くなった子もいて

この苦しい気持ちを

打ち明けたいと思うときもあった。

 

けど、そうできない何かがあった。

 

それは、裏切られたみじめな自分を

思い出したくなかったのかもしれないし

 

教師と生徒の恋愛が

ゴシップのように扱われることが多く

そういう目で

見られたくなかったのかもしれない。

 

彼は当時は塾講師だったけど

もともとは教師だった。

 

そもそも、理解されるなんて

思ってなかったんだろう。

 

それに、相談されたって

迷惑なだけだろうっていう

思いもあった。

 

自分の人生に

起こったことだから

自分で抱えて苦しむしかない。

 

そんな風に思ってた。

 

「自分の人生は自分で責任を取る」

 

偶然読んだ本に書かれていた一文。

 

私は、この言葉を間違って解釈して

自分に起こったことは

誰にも相談なんてしないで

自分で抱えるべきだって思ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

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