ふんわり風船ハート みぶき えみ@月の記憶の声を聴く人

   

月の記憶の声を聴きながら綴る

みぶきえみの世界観🌙

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前のお話

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どんな気持ちで過ごしていても

時は流れていく。

 

秋になって、私たちは

戴帽式を迎えた。

 

 

戴帽式は、1年生の時に行われる

メインイベント!

 

初めて、ナースキャップを

つけてもらう。

 

当時は、ナースキャップは

看護師の象徴でもあって

一歩、看護師に

近づけたような気がして

嬉しかった。

 

看護師になりたいわけじゃなかったのに。

 

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ひとりひとり

ナースキャップをつけてもらう。

 

入学式や卒業式と同じように

親も出席するような式だ。

 

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戴帽式ではナイチンゲール誓詞を

暗唱する。

 

この日のために、覚えたな~。

 

 

「ナイチンゲール誓詞」

 

われはここに集いたる人々の前に厳かに神に使わん

わが生涯を清く過ごし、わが任務を忠実に尽くさんことを。

 

われはすべて毒あるもの、害あるものを断ち

悪しき薬を用いることなく、また知りつつこれをすすめざるべし。

 

われがわが力の限りわが任務の標準を高くせんことを努むべし。

 

わが任務にあたりて、取り扱える人々の私事のすべて

わが知り得たる一家の内事のすべて、われは人に洩らさざるべし。

 

われは心より医師を助け、わが手に託されたる人々の幸せのために身を捧げん。

 

 

 

この日から、授業でも

ナースキャップをつけてた。

 

今考えたら、不思議な話。

 

上の写真は、ブルーと白の

ストライプのユニフォームに

白のエプロンをつけてる。

 

このエプロンのない状態で

授業を受けてた。

 

寮と学校が

同じ建物なのもあったのかもしれない。

 

この頃から、少しずつ

この生活にも慣れてきて

 

ふたりの自分の半分が

なくなったように

感じていたのかもしれない。

 

それは、苦しいというより

少し生きやすいという感じだった。

 

抑圧した感情は

なくならないことを知らなかった。

 

「生き埋めにされた感情は死なない。」

 

このことは、もっと大人になってから

痛烈に感じることになる。

 

抑圧して、無かったことにしてきた感情は

必ず、暴走を始める。

 

沸騰した鍋に

どんなに重い蓋をしても

噴きこぼれてしまうように。

 

 

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