ふんわり風船ハート みぶき えみ@月の記憶の声を聴く人

   

月の記憶の声を聴きながら綴る

みぶきえみの世界観🌙

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前のお話

下矢印

 

 

 

看護学校は

前期は各学年2人ずつのお部屋。

 

そのお部屋のメンバーで

記念写真。

 

先輩の卒業式の時

泣けてしょうがなかった。

 

 

普通、こんな状況の中で

泣いてたら・・・

 

淋しくて泣いてる

 

って思われるんだろう。

 

でも、私が泣いてた理由は別。

 

この牢獄から出られて羨ましい

 

そんな感情だった。

 

いや、望んで入っただろ

こんなとこなんて知らんかったし

という心の声の葛藤…

 

高校生の時

今の環境から逃げ出したくて

全寮制の看護学校を選んだ。

 

けど、入学してみると

キラキラした友達に囲まれて

苦しい思いをしていた。

 

看護師になりたいっていう

明確な夢もなかったし

逃げ出したいっていう思だけだった。

 

卒業まで、あと2年もあるし

卒業して、国家試験に受かったとしても

看護師として働く自分が想像できない。

 

どうしていいのか

全く分からなかった。

 

逃げ出す先がどこにもないから

ここにいるっていう感じ。

 

私は、あと1ヶ月で

20歳になろうとしていた。

 

20歳の私は、結婚して

幸せな奥さんになって

小さな子供がいる温かい家庭を築いてる。

 

そう思って疑わなかった

あの頃の私に戻りたい。

 

その時間を

延々に生きていきたいと願った。

 

もちろん、そんな方法なんてない。

 

幸せな私は

シャボン玉のように消えていった。

 

人生の儚さだけを心に抱え

いつものように

明るい私を演じ続けた。

 

1年後、ひとつ上の先輩が卒業した。

 

その時も、似たような気持だったけど

感情が大きく揺れることはなかった。

 

 

もう、人生自体を

諦めていたのかもしれない。

 

 

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