ふんわり風船ハート みぶき えみ@月の記憶の声を聴く人

   

月の記憶の声を聴きながら綴る

みぶきえみの世界観🌙

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前のお話

下矢印

 

 

入学してから最初の半年は

各学年2名ずつの6人部屋。

 

先輩が4人もいるわけだから

寛げるはずはない。

 

それに加えて、隣は

寮の先生の部屋。

 

軍隊・・・とは言わないけど

上下関係が厳しく

中でも「厳しい先輩」と同室だった私は

いつも屋上で、ひとりの時間を過ごしていた。

 

けど、後期になると

同級生同士の部屋になる。

 

門限が20時の世界では

部屋の中で遊べる方法を

色々考えるようになった。

 

これは、ファッションショー笑い泣き

 

着てるのは自分の服じゃなくて

同室の友達のもの。

 

 

当時、私は赤い服が大好きだった。

 

けど、自分には不釣り合いのような気がして

なかなか買えなかったのを覚えてる。

 

写真を見ると

楽しそうだなって思うこともある。

 

けど、そう見える表情とは裏腹に

大きな葛藤が襲っていた時期でもあった。

 

その頃付き合っていた彼は

とてもやさしい人だった。

 

このまま、幸せになれるんじゃないかと

思い始めていたのも本心だ。

 

 

けど、私の気持ちは揺れていた。

 

 

彼を好きだという気持ちが

本心なのかどうかも

自分でわからなくなっていた。

 

けど、私は前に進みたいと願った。

 

この頃みたいな幸せを

感じたかった。

下矢印

 

同級生同士の部屋になると

恋愛の話に盛り上がることも多かった。

 

18歳・19歳の女の子の集まりだから

自然な流れだった。

 

どんなところにデートに行ったとか

何を食べたとか。

 

デートに出かける服装に

あれこれ悩む姿もみんなが知ってる。

 

 

その彼女たちと私は

同じなんだろうか?

 

 

イヤ、同じはずなんてない。

 

そんな想いが、頭から離れなかった。

 

そんな不安を払拭するように

必要以上に、彼との恋愛のことを語り

自分を納得させようとしていた。

 

今振り返ってみると

痛々しすぎて

目をそらしたくなる。

 

本来なら、青春時代は

すごく楽しい時期。

 

もしかしたら

誰かに本当の想いを

打ち明けられたら

もっと違ったんじゃないかって思う。

 

看護学校でできた友達の中には

本当に信頼していた人もいた。

 

友達になれたと思った人もいた。

 

けど、そうはできなかった。

 

けど、私の想いを

わかってもらえるとは思えなかった。

 

そして、こんな想いを打ち明けられても

相手も困るだろうなって

 

そして、流されるままに

日々を送ることになる。

 

 

次のお話

下矢印