どもぉ~みなさんこんばんは、「エステ・魔サイトー」です!
「メタル・ヴィレッジ」の時間がやってまいりました。
今夜もここ、インターネットはメタルの殿堂、アメブロぉアップからお送りいたします!!

「ブレキンザワッ!?」「ロー!!」
・・・というわけで、今回は大英帝国が誇るヘヴィ・メタルの神様!
メタル・ゴッドこと
「Judas Priest(ジューダス・プリースト)」のご紹介です!


「ヘヴィ・メタルの基本」を作り上げたプリースト
ツインリード・ギターによる華麗でドラマティックな曲展開。
超ハイ・トーンのシャウト。
鋲を打った、黒のレザーパンツ&ジャケットというファッション。
ギタリスト、ベーシストが揃って身体を前後に動かすライヴ・パフォーマンス。
そして何より、アルバムの冒頭で多用される、短いイントロからバーンと弾ける展開。
この展開を「ドラマティックでエキサイティングだ!」と感じるか、それとも「クドい、大袈裟、暑苦しい!」と感じるかが、ヘヴィ・メタルを好きになるか嫌いになるかの分かれ道だと思います。

本日の1曲目は、'82年発表の「Screaming for Vengeance(復讐の叫び)」から、この曲です!




映像では、ボーカルのロブ・ハルフォードがムチを持っています。
このファッションはアメリカツアー中に偶然立ち寄ったSMショップでヒントを得たものだそうです。

「SMショップって『偶然』立ち寄る所か?」

誰もがそうツッコミを入れたくなるとは思いますが、そこはサラっと流してください。


「Screaming for Vengeance(復讐の叫び)」はバンド最大のヒット作ですが、私が一番好きな作品は次作である'84年発表の「Defenders of the Faith(背徳の掟)」です。
「Screaming~」ではヘヴィ・メタルの夜明けを高らかに宣言したのに対し、「Defenders~」でこのスタイルを貫くと決意表明しています。
「迷い」が全くなく、一点の曇りもない、徹頭徹尾ヘヴィ・メタルな作品です。
それでは、物悲しく、勇ましく、ドラマティックなこの曲をお聴きください!




さて、「Defenders~」でヘヴィ・メタルの完成形を作り上げたプリースト。
実験心が出てしまったのでしょうか。
'86年に問題作「Turbo(ターボ)」を発表します。

シンセサイズド・ギターを大胆に導入し、アメリカ市場を意識したポップな作風で賛否両論を巻き起こしました。




90年代はプリーストにとって激動の時代でした。
・PMRCからの圧力
「ヘヴィ・メタルは反社会的で、青少年に悪影響を与える音楽」として、アメリカの市民団体であるPMRCの標的にされました。
音楽や映画を検閲して、NGのものに「Parental Advisory - Explicit Content」と表記されたラベルを貼っている団体ですね。
この団体の中心人物は当時の副大統領夫人であり、穿った見方をすれば「選挙の票集めのためのツールのひとつ」にすぎないのですが、その影響力は大きく、バンドが受けたダメージは計り知れません。
・裁判問題
2人の少年がショットガンで頭を撃ち抜いて自殺する、という事件が'85年、アメリカで起きました。
1人は即死、1人は幸い命をとりとめたのですが、'90年、少年の両親が「自殺はバンドの曲に含まれていたサブリミナルメッセージが原因だ」として、バンド側を訴えました。
少年達が自殺する直前に聴いていたのがプリーストの'78年発表の「Stained Class(ステンド・クラス)」に収録されている「Better By You, Better Than Me」。
この曲を逆回しすると自殺を命令するメッセージが入っており、これが原因だと言うのです。
実際、曲に「Do it!」というメッセージが入っているのは事実です。
しかし原因はそれではなく、お薬やお酒が原因であると判決が下されました。
バンド側は裁判には勝利しましたが、この事件はマスコミで大々的に報道され、しかも少年達がお薬常習者だった事には触れられていなかったことから、「ヘヴィ・メタルは悪魔的で、人々を洗脳しようとする危険な音楽」という負のイメージが植えつけられてしまいました。
・フロントマンの脱退
ソロ・アルバム作成でのレコード会社との契約のもつれから、'93年、ロブが脱退。
後任の「ティム・"リッパー"・オーウェンズ」は、ロブに似たボーカルスタイルで、実力も申し分なかったものの、フロントマンとしてのカリスマ性に乏しく、また、発表したアルバムの楽曲もイマイチであったため、長らく低迷してしまいました。
・カミングアウト問題
'97年、ロブ・ハルフォードは自らがゲ○であることをカミングアウトしました。
まあ、この頃にはみんな気づいていたので、「今さら言わなくてもみんな知ってるよ」、って感じだったのですが。


さて、そんな激動の'90年代初頭、プリーストはエポックメイキングな作品「Painkiller(ペインキラー)」を発表しました。
PMRCや裁判問題での重圧をバネにして一気に跳ね返したような爆発力のある作品です。
個人的には、プリーストの魅力であるドラマティックさや哀愁がないのであまり好きではないのですが、「この作品が一番好き」というファンは多いです。

ちなみに先ほど触れた裁判問題、バンドにとって想像以上に深い傷だったのでしょう。
命をとりとめた少年も、事件から3年後にオーバードーズで亡くなっているのですが、そのお薬が「Painkiller=鎮痛剤」・・・




このアルバムの中では、この曲が一番好きです。
次の曲は、「A Touch Of Evil」!



この頃からロブは、パンテラをはじめとするモダン・ヘヴィネスに傾倒しており、「Painkiller」発表後、バンドを脱退し「Fight」を結成します。
その後、いくつかのソロ・プロジェクトを経て'03年にプリーストに復帰するのですが、復帰後の作品は個人的にはイマイチでした。
'74年にデビューした彼らも、そろそろ還暦。
「Painkiller」をピークに、徐々に衰退してゆくのだろうなぁと思っていた'08年、「NOSTRADAMUS(ノストラダムス)」を発表します。
ノストラダムスの生涯をテーマとした、2枚組のコンセプト・アルバムです。
「今さらノストラダムス?」「2枚組?」「プリーストがコンセプトアルバム!?」
と、さまざまな「?」が浮かんでくる作品ですが、聴いてみたらなかなかどうして、かなりの力作です。





昨年、ちょっとしたゴタゴタがありました。
オフシャルHPで「バンドは解散する」と受け取れる発表をしたのです。
即座に、「解散という意味ではなく、大規模なワールドツアーは今回で最後」という釈明が追加され、ファンをホッとさせました。
しかしそれも束の間、ギタリストのKKダウニングが脱退を発表!


一体バンド内に何が起こったのか!?


そんなゴタゴタを引きづったまま、最後のワールドツアー開始。
日本にも先月、来日しています。
私が最後にロブを観たのはFightとして来日していた'93年のクラブチッタ。
プリーストとしては'91年のNHKホール以来なので、20年観ていないことになります。
ぜひ行きたかったのですが、仕事の都合で泣く泣く断念。
近年の彼らのパフォーマンスは、「声が全然出ていない」、「杖にしがみ付くかのようにマイクスタンドにしがみ付いていた」、「曲のほとんどを観客に歌わせていた」など、評判は芳しくなかったのですが、そんな前評判を吹き飛ばすような、素晴らしいステージだったようです。
まぁ、新しいアルバムの構想もあるようですし、ラウドパークあたりにきっと出てくれるでしょう。


というわけで、懐かしいこの曲でお別れしましょう。
それでは次回の「メタル・ヴィレッジ」まで、ごきげんよう、さようなら!




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