ご無沙汰続いてしまっております。
娘の不登校関連のゴタゴタで、私自身が精神的に折れて、鬱が続いておりました。
が、季節は春。
水温と溶存酸素量、春の疾病祭りがグシャグシャダマになった感じがあるので、少し整理をしてみます。
宜しければお付き合い下さい。
溶存酸素と気温の相関関係については、上記ブログをご参照下さい。
色々細かいことは省いても、
水温が急上昇=魚は酸欠になって苦しくなる。
この点が話の出発点になります。

シンプルに酸欠を緩和するならば、水位を下げれば良いのです。
水位が1/2になれば、水中の溶存酸素密度は2倍に、1/3ならば、3倍になります。
なるほど、これで解決ですね!
と、ならないのが、生き物の世界の怖い部分です。

全然解決じゃありません。
この方法だと、排泄物の要素がすっぽり抜けてるのです。

濾材に活着したバクテリアの総数は、水中の排泄物密度に厳密に比例します。
10mlの飼育水中にXという量、排泄物が出てくる環境であれば、10ml中のXを無害化できる丁度の量の濾過バクテリアが住み着いています。

もし、排泄物の量が減ればバクテリアは早くて2日程度で餓死しますし、多ければパンクして排泄物処理をそっちのけにしてエネルギーを繁殖にまわしてしまいます。パンク現象から立ち直り、まともに動作し始めるには最短で5日はかかります。

濾過バクテリアの不調は、直ちに魚の健康を害します。

普通に魚が入っている水槽の水位を半分にした場合、
溶存酸素密度は2倍になりますが、一緒に排泄物密度も2倍になります。
即ち、濾過バクテリアのパンク現象が発生するのです。

この厄介なサイクルを打破するには、飼育者の介入が必須です。

水温が急上昇してしまった!と気が付いたら、先ずは水位を下げて呼吸を楽にする。
次に一呼吸置いて、半日〜1日後に処理しきれていないだろう排泄物を物理的に捨てるために、水換えをします。同時にやっても大丈夫ですが、少し時間を開けた方がゴッソリ捨てられるので、ご自身が作業に取れる時間を考えて実施すればベストです。
換水量は、水位を下げた割合が基準になります。

例えば水位40cmを30cmにしたなら?
30÷40=0.75・・・
①が割合です。
 水位30cmになった水槽の換水は
 30×①の0.7522.5・・・
 ②で求めた22.5cmまで水位を下げて
  新水を足して30センチに戻す。
※◯リットルではなく◯cmとして考えるのが重要です。

この作業で取り敢えず、元の排泄物密度に戻せます。パンクしかかった濾過バクテリアを正常な作業に戻すシグナルとしての水換えとお考え下さい。
もちろん、排泄物密度を下げてもパンク状態を継続するバクテリア群も混在しますが、一斉に仕事を放棄されるより遥かにマシです。そして繁殖活動に入ったグループが居れば、必ず濾過バクテリアの総量は増加していきます。
次回は一日後、その次は一日半後、と。
ジワジワ期間を引き伸ばして、過度のショックを与えず増やしていくのがポイントです。

ここまでで既にお気づきかと思われますが、水位を安全に下げるだけでも、ストックとしてかなりの換水用汲み置き水が必要になります。

水位を下げるだけでは解決にならないのが、厄介な点。として考えていただければ、先ず間違いはないかと存じます。