流産を経験していたから、
余計に神経質になってしまって、
ほとんど
家に閉じこもっていた。

動くのが怖くて
出血しないか、
とにかく不安で

薬、また、薬。
そのたびに、
「ごめんね。ごめんね。」と泣きながら、
薬を飲んでいた。

エコーで
心臓が動いているのが
わかった時は
本当に嬉しかったニコニコ

その時、一番喜んでくれたのが
母だった。

パニック障害で辛いとき
つわりで辛いとき、
いつも
助けてくれた。
つわりで辛かったけど
母のおにぎりは食べられた。
辛いとき、いつもそばに
いてくれた母。
流産して
慰めてくれて、私の
見えないところで
泣きじゃくっていたのも
母だった。

だから、私の妊娠を
本当に喜び、心配していた。
母は、
ガンだった。

安定期に入ったら、

私のお腹を触って
涙ぐみながら、
「良かったね~、本当にここまで大きくなったね、元気に産まれてくるんだよ。」

その数日後
母は、急に容体が悪くなり入院した。
もう、ガンの末期だった。
我慢強いから、我慢しすぎて、
医者も驚くくらい、進行していた。
相当、痛みもあっただろう。
入院し、母は、
すぐモルヒネをうたれてしまった。

意識がない母。
昨日まで、しゃべっていたのに、
どうして?
安定期に入ったから、
安心して気が抜けたのかもね。
心配ばかりかけて、
本当に何も
親孝行出来なかった。

一日だけ
奇跡がおこり、意識が戻った。そこで、母は私に

「孫、見てあげられなくてごめんね。」
と言い、息をひきとった。
母のお葬式
お腹の赤ちゃんが、
ずっとずっと
激しく動いてくれて、
「僕がいるよ。」

一生懸命、励ましてくれていた気がした。