なにに向かうんだろうね。

追われた男子たちは、どこへ向かうんだろう。
いつも、遠い目をして、
それでいて、ほんと半径数ミリしか見えないような、
近すぎる地平に、瞼を落として。


栄光と、張り付いた富があればいいの?
ある程度の自由は保障されても、完全な管理下の中で、
生きながらえるのがしあわせなの?


生きるって、そういうことだった?
あなたの夢は、そこにあった?


無抵抗でいることが、
そこにいることの条件なのに、
それでも、そこを選ぶの?
大切な思い出があるから?
付随されてきた権力があるから?


少し耳を貸すことは、扉を少しだけ開けてみるのは、
そんなに難しいことなのかなあ。


あなたを置いて、しあわせになっていいんだろうか。
あなたがくれた希望も、喜びも、もうわたしひとりで、思い出すしかないんだろうか。


一緒に笑ってたかった。
闇の中から、照らしてくれたのは、
あなただったから。


あなたが暗い、長い、穴を探っていくつもりなら、
せめて、ろうそくの灯りを。
ささやかでも、あなたが欲していなくても、
ただ掲げていたいと思うの。