ここに記す内容は、書いている私にとっても、辛いのだけど、心の掃除をするために、そして、忘れないために、追悼の気持ちも込めて残したいと思います。

2018年12月31日。
兄が離婚をして一人暮らしを始めてから1年5ヶ月。
うつ病とアルコール依存症を患っていた。
一人暮らしをした日から、毎日欠かさず早朝覚醒をする兄から「おはよう」ってLINEが来る。

私も起きたあと、「おはよう」って返すのが日課だった。

事あるごとに電話を何度もかけてくるようになり、病状も転がり落ちるように悪化しているのが目に見えてわかった。

別れた元嫁さんとも連絡を取り合っていたようだった。

私と元嫁さんとは溝があり、兄が離婚したあとは一切の連絡を断っていた。

この日。
大晦日の夕方、楽しみにしていたテレビを見ながら、1人で年越しをする用意をしていたとき、元嫁さんから着信があった。

「ねぇ?おかしいんだけど。連絡が取れないんだけど、そっちに連絡ない?」

実は私、前日に兄にひどいことを言った。
「電話してこないでね。お正月振り回されたくないの

だから、兄は私に連絡をしてこないのだろうと思っていた。
毎朝のおはようのLINEも来てなかった。

心の中ではどうしたんだろう?って思っていたんだけど、大晦日は元嫁さんが兄の家に行くと聞いていたので、私に連絡する必要もないのだろうと思ってた。

元嫁さんからの着信を見たとき、胸騒ぎがした。

案の定「おかしいわよ!全く電話に出ないしかかっても来ないし、LINEも既読にならないの」

時計を見たら、17:40すぎ
「私、鍵持ってます。様子見に行きますか?1時間くらいかかるけど、向かいます」

兄の家の玄関で待ち合わせ、到着したのは19:30頃

夕飯の宅配弁当がドアノブにかかっていた。
いつも14時ごろに配達されるはずのお弁当を受け取ってない。

ドアを開けるのが怖かった。
鍵を開け、ドアを引いたら真っ先に元嫁さんが部屋に入った。
横になってる兄に必死で呼びかけてる声が響いた。

玄関をしめて、部屋に入った。
言葉が出なかった。

兄を見ただけで全てを理解するには時間がかからなかった。

一言…「お兄ちゃん、どうしたの?」
精一杯だった。

元嫁さんは兄を呼び続けていた。
でも…兄はすっかり冷たくて、体が固くなっていた。

救急車が来て、やはりもう蘇生は出来ない。
少なくとも8時間は経過していると。

発見時の時間や、状況を事細かく聞かれ、
警察が来て、事情聴取。

死因は急性心不全、自然死と診断された。

解剖しますか?と聞かれたが、断った。
怖かった。

ごめんね、お兄ちゃん。
優しく出来なくてごめんね。
最後、「助けてよ。おれ、お前がいないと生きていけない」

ごめんなさい。
最愛の兄を失った。
病気って分かってたけど、私もしんどかった。
だけど、もう居なくなっちゃった。

あの日、何があったの?
どうして死んじゃったの?

もうすぐ命日。
忘れたくても忘れられるはずがない、
大晦日って、お兄ちゃん、なんでこの日を選んだの?

神様、意地悪だね。
私一生、この日のこと思い出しながら年を越すの。

ごめんね。
最後まで優しい兄だった。
助けてって、助けてって、その声、まだ聞こえるよ。

ごめんね。

ひとりぼっちにさせちゃって、ひとりぼっちで逝っちゃって、寂しい想いさせて、ごめんなさい。

私は生きていく。
お兄ちゃんを忘れないために生きていく。

ありがとう。
大好きだよ。

ごめんね。