2015年11月読書メモ | あざみの効用

あざみの効用

或いは共生新党残党が棲まう地

幸福の七ヶ条「水木さんの幸福論」


第一条 成功や栄誉や勝ち負けを目的に、ことを行ってはいけない。
第二条 しないではいられないことをし続けなさい。
第三条 他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追及すべし。
第四条 好きの力を信じる。
第五条 才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。
第六条 怠け者になりなさい。
第七条 目に見えない世界を信じる。



水木しげる先生逝去…私にとって幼少期、最初のそして長らく漫画体験は水木先生のみといっても過言ではない生育環境のため感慨ひとしおというか影響力絶大(反動形成はご覧のとおり)。手塚先生が漫画の神様だとすれば、水木先生は妖怪の神様。「妖怪」という存在が、戦後、高度経済成長の中で生き延び得たのは水木先生の御力といっても過言では無いでしょう。水木神社を鳥取県は創建すべき。




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今月から将棋ウォーズ始めました、10分切れ将棋は就寝前にちょうどいい。…そして思いの外定跡を覚えておらず序盤ヘボ、中盤からの力技ばかりの将棋に自己嫌悪。二段で定位置になりつつあるが昔四段~五段の認定を受けていただけに苦笑。
刑務所の医療と福祉―塀の中の医務室で考えたこと/ナカニシヤ出版
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本来は「新犯罪論」を推したいところだけど、ほとんど既知の情報となってしまい薄いこともあいまって物足りず。むしろ当著のほうが「刑務所の風景」を踏襲した刑務所の内から考えたこととして面白かった(そもそも著者が刑務所勤めの前に唯一読んだ方が上記とのことですが)。最後の福祉の砦として「透析専門医の欠員」を訴えたところ、法務省の医療専門官から「医師免許は一つだ」なる名言を引き出したところは爆笑。あとは陰茎玉入なる刑務所文化に苦笑。
なぜ国々は戦争をするのか 上/国書刊行会
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かねて昨今の史学が経済・文化を中心に構造的に捉えようとする見方をする点について、不満をもっていた身空として我が意を得たり。つまりは戦争においては当時の指導者たちの心象風景が決定的に重要であるという視座。上巻は、第一次世界大戦、バルバロッサ作戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、ユーゴ紛争、インパール紛争。下巻は、中東紛争、イランイラク戦争→湾岸戦争→イラク戦争。紛争において冷静さを保ち勝利者たる地位を占めたと感じた指導者は、ホーチミンとキッシンジャーの2名―。

一番の衝撃はオーストリア皇太子暗殺から、世界大戦に戦争が拡大するまでの経緯。ヴィルヘルムⅡ世の狼狽ぶりもそうだが、そもそも独露墺仏と軍部いや軍事計画「総動員令」の方が強いという本末転倒ぶりが喜劇。