2018年1月読書メモ | あざみの効用

あざみの効用

或いは共生新党残党が棲まう地

 

 

 

 

昨晩の朝ナマでかのアトキンソン社長が参加していたためつい最後の方まで見てしまった。人口動態で快刀乱麻を断つが如く説明に我が意を得たり。成長は人口と生産性の掛け算に過ぎないため、高度成長はほぼ人口ボーナス、この20年の停滞は人口横ばいの中、生産性が上がっていないため、そしてこれからは人口が減っていく以上生産性を上げざるをえない。女性がフルタイムで働くのも当たり前だし、単に良いものを「安く」売ればいいというビジネスモデルは終焉。ただし、生産人口が3000万単位で減少する未曾有と思われる未来も、中世ペスト流行期を振り返れば労働者視点から悪くないという視座は面白かった―たぶんその頃には不良債権としての団塊も、そして私たち「真性ロスジェネ」も壊滅している。

 

 

年始に相応しい壮大な一冊―宇宙科学を期待して手に取ったが「哲学」本で普通に良本。セカイについての認識は「適宜自然主義」が妥当と腑に落ちる。適宜(①世界についての語り方はいろいろある②うまい語り方は全て、互いに、また世界と整合していなければならない③その時時の目的が最善の語り方を決める)+自然主義(①一つだけの世界、自然界だけがある②世界は破れないパターン、自然法則に従って進展する③世界について学ぶ信頼できる方法はそれを観察することのみ)と―。デイヴィットヒュームからベイズまでを織り込む。

刑事司法関連には一家言あるため、哲学者が何を上から目線で語ってくれるのかと批判せんがためぐらいの軽い気持ちで手に取ったが前書きからしてある種の「哲学批判」となっており、徹頭徹尾簡明・明快な文章で綴られる思考・考察に感動。死刑を賛否を巡る道徳的・倫理的論争答えはいずれも進化に基づく「応報的感情」として正であるとして切り捨てる。カント、ベッカリーアは切り捨てられるべき補助線に過ぎず、本線が宅間守と久間三千年(飯塚事件)というのが素晴らしい。扱われる材料は既知のものなれどそれらを編んで生み出された死刑反対の結論は「死刑賛成派」こそ合意に至ると思われる(反対派はむしろ心情的に反する)。

喪失の心理的需要の過程を現代的に描いたもの―ただしどこまでいってもフェイスブックCOOだから母子家庭ならでは一般的辛さと重ねることに違和感をどうしても抱いてしまうけれど…。

 

今年の年末年始、鹿渡島定置網からのお取り寄せグルメは(鮮魚セット+干物セット)―

干物セットはアカモク(海藻の自然薯に近い触感)、アオリイカ一夜干し、フグ一夜干し、タイ一夜干し、カマス糠まぶしと盛りだくさん

鮮魚は、スズキ(オスメス2匹)、サゴシ(小サワラ)、ヤリイカ+アオリイカ+スルメイカ、フクラギ(イナダ)、
イシガキダイ、アジさま。

今回豪華な海鮮丼作ってみましたが涙がでそうなほど美味しかった。