ウチのお客さんたちの中でも
いつかは、誰かが・・・捕る
とは思っていましたが
そんな「30超え」の便りが届きました
船からだってそうそう出ない30超え
GPSと魚探などハイテク機器を使い
船長任せで「連れて行ってもらい」
ハイどうぞ・・・のお客様釣り、接待釣り、殿様釣りとは異なる
己の経験と知識でポイントを決め、時合いを予測し、己のフットワークで磯を下り
魚を掛ける
そんな魚とのファイトは、もちろん「陸戦」
船とは異なり、どんどん障害物だらけでガチャガチャした陸の方へ寄せなければならない
魚がまだフルパワー状態のフッキングさせた時点での水深のアドバンテージだってほぼ無い
一気に潜られたら、ファーストランで底根まで到達する
そんな条件下で、20kgの夢を求めるアングラーは多いが、20kgどころか30kgすら越す
もちろん、掛けた者の「腕」は大きく結果を左右するが
「腕」だけではどうすることもできない「魚との縁」と「ファイト中の運」も関わってくる
そして、今回の釣果報告で
リアルだし、正直だな・・・と感じたのは
重量「33.9kg(死体時)」ということ
もう34kgじゃん
ヘタすりゃ20kgに僅かに届いてなくても「20kgちょうど」とか
70cmに僅かに届いてない石鯛が「70cmちょうど」と公言するアングラー&釣師は多い
今回のヒラスでも「生体時(釣り上げ直後)」は34kg台あったのは間違いない
だってそのサイズだ
子供一人ほどの大きさの魚が死ねば糞も垂れるし、乾燥や魚体の水分量の変化もある
子供一人が小便ひとつでも垂れりゃ100gや200g体重が変わるのと大差無い
魚一匹といえども小アジ一匹とはなんでも割合が異なる
それでも「測った時が33.9kg」だったから「33.9kg」と、きっと報告した
たとえ「34kg」で公言しても、生体時を考えたらウソとはツッコめない数字です
しかし、まあ
よく捕った・・・
この商売をやってると
定期的にいろんなおかしなヤツが問い合わせて来る
どっかで、こんなメーカーがある・・・なんて聞いて問い合わせてくるんだろうけどさ
「今度、トカラに遠征に行く予定にしてるんですが、OC106HHだと何キロのGTまで捕れますか?」
ようは遠足前のガキが夢膨らんで「捕らぬ狸の皮算用」をしてるのです・・・経験値ゼロで・・・(-_-;
じゃあさ、大型ヒラスを捕るために設計した竿だし、そうなってくると大概GTにも兼用できる、だって20kgを越すようなヒラスとフルパワーで闘うためには人間の限界付近で耐えられるような竿にする必要がある、魚はそれほど強烈だ
そんなふうに作った竿が30kgのGTは捕れるけど、50kgになるとムリだね・・・そんなワケがない
人間が必死こいて竿を支え、ファイトするような竿なら、その「縁」しだいでは100kgだって捕れる竿だ(オレは掛けたことは何度かあっても捕ったことは一度もないけどね)
まったくもって、「ド」が付くビギナーの質問だし、捕ってもいないし、経験値もゼロのうちから「50kg」が頭をちらついているオコチャマアングラーということになる
竿を作った私から言わせてもらえば
「OC106HH」はそれほど「強烈」な設計はしていません
「使いやすさ」なども折り合いが付くラインで「必要強度&必要スペック」を出しているつもりです
じゃあ「OC106HH」よりも
たとえばバットパワー(ファイト中のパワー)を言うと
飛距離重視に設計をアレンジし直してる「PA106HH」のほうが若干強いと思います
「OC106HH」は先程書いたように「基本的には大型ヒラマサを狙うことのできるスペックと使いやすさを程よく両立」を目指した竿
これでGTも捕れますが、GTをやるとなると200g以上のルアーを放る時もあるのでGTで使うルアーは全部放れるようにアレンジし直した「HHH-GTO」(GT寄りにアレンジしたOscar)は、キャスト能力を上げた結果バットも若干強くなってるはずです
「ヒラスに大丈夫ですか?」と言われた「猛者SPL」ですが、ショートバイトの弾きを軽減する目的で「入り(いり)調子」を極端にアレンジした結果、石鯛竿のようなイメージでティップが細くなってるだけであって、116のレングスもあって当然ながら「OC106HH」よりはバットの径&肉厚もあるのでバットパワーは竿を作ってる際中に触ってるだけでも「OC106HHより強い」と感じることができます
ましてや「OC130ZR」や「OC135ZG」などになれば、明らかに「強い!」
さっきのトカラ遠征の遠足おニーチャンのセリフで言えば「OC106HHで30kgオーバーのヒラマサが捕れるなら、猛者SPLなら40kg、ZRやZGなら50kgのヒラマサを陸から釣ることができる」という方程式になる
・・・そんなワケがない(-_-;
竿のスペックはそこそこ・・・あとは「人が釣るのだ」
極論
人間がフルパワーで支えたまんまヘシ折れなきゃ(おかしな負荷の掛け方は論外)あとのファイトはどうにかなる
言い方を変えれば、じゃあそれ以上に竿をドンドン強くしても人間が負けて使えない、となる、行きつく先には「竿をボルトで地球に固定」となるだけのハナシ
人間のスペックなんて、たかだか知れている
まして逆テコのように「竿」で支えられる負荷なんか、たかが知れている
なにはともあれ
「OC106HH」で「33.9kg」完遂おめでとう