世の中は矛盾だらけだ。


最近、子育てにおいて特に考える事が多い。


父親の役目とは?


私の父親は口うるさくはなかった。

元々そんなに口数が多くなく、私に何か注意してくるのはいつも母親だった。


ただ、母親が言っても聞かないときには父親が登場して言葉ではなくいつだって鉄拳制裁であった。

まあ、それも数えるくらいしか記憶がない。


しかし、その鉄拳はさながらジャイアンのようでひたすらぶん殴られ、最終的には裸足のままで外に追い出された。


これはかなりのトラウマとして植え付けられており、正直今なんてヨボヨボの爺さんになってるので余裕で勝てるだろうが、それでも昔の記憶が蘇りビビってしまう自分がいる。


まあ、そんな感じで育ってきたので鉄拳はしないまでも、父親の役目なんてものはここ一番で登場し、ビシッと言えば良いもんだと思っていた。


先日こんなことがあった。


私は、女房と倅が外出してるときに部屋の整理をしていた。

大きな段ボールを持って部屋の行き来をしていたのだが、積み重ねようとしたダンボールが重くて積み重ねることができず、結果下に落としたのだが、それを足の上に落ちた挙げ句にダンボールがひっくり返り中身をぶちまけた。

怒りで我を忘れてひっくり返ったダンボールを蹴飛ばしたら小指を角に打ちつけて一人でのたうち回った。

その後は半分ふてくされながら片付けて作業は終わったくらいに女房と倅が帰ってきた。


倅はすぐにゲームをし始めたのだが、倅はかなりの癇癪持ちでゲーム内でうまく行かないとすぐに切れてわめき出す時がある。

よく女房が注意してるのだが、正直私も子供の頃にゲームで癇癪を起こしていたので倅の気持ちも理解できた。


だがしかし、今日の癇癪はすごかった。

切れまくった倅は最終的にゲームのコントローラーを投げたのだ!


これは良くない!

私もすぐに思った。


思ったのだが、壁に当たったコントローラーが跳ね返り倅の頭に直撃した。


女房は私を見た。


明らかに「お前の番だ」というのが読み取れた。


しかし、私は思った。

これはつい数時間前に私自身がやらかした事と同じではないかと。


本当に私に言う資格があるのかとね。


確かにあの醜態は誰にも見られていない。

見られてないとはいえそれをなかったコトにして言うのですか?

だってあなた全く同じ事してますから!残念!


結局、私はへらへらしてその場をやり過ごした。

チラッと見た女房の顔は完全に鬼面であった。


こうして私はモヤモヤしたまま今に至るのである。