「絵師 日々の言霊」 後藤 仁 〈11〉 | 後藤 仁(GOTO JIN)の日本画・絵本便り

後藤 仁(GOTO JIN)の日本画・絵本便り

後藤仁ブログ2~絵師(日本画家・絵本画家、天井画・金唐革紙)後藤仁の日本画・絵本・展覧会便り。東京藝大日本画卒,後藤純男門下。「アジア/日本の美人画」をテーマに描く。東京藝大,東京造形大講師。金唐革紙製作技術保持。日本美術家連盟,絵本学会,日中文化交流協会会員。

 私は日本画・絵本原画制作の合間合間に、日々思った事・見付けた事などを、Facebook・Twitterでつぶやきます。これは、その続編〈11〉になります。
 一絵師のたわいもない独白は、いい加減で無責任な言葉にしか過ぎません。しかしその行間に、芸術家の真実が垣間見えるかも知れません。荒削りで不器用な絵師の言葉の中から、”真実の言霊”を見出していただけましたら光栄です。

 今回は、「大垣祭り・中町 布袋軕」天井画 制作報告を除く、
中国向け新作絵本〈第3弾〉制作過程と、 中国向け新作絵本『青蛙緑馬〈チベット民話〉』(浙江少年児童出版社)絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店) 等の報告記事をまとめています。
 いよいよ、
日本国内向けの新作絵本制作も始まりました。この後も、乞うご期待~❣

 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁、 后藤 仁(中国語)

                  ★


2021年9月13日


中国向け新作絵本『青蛙緑馬〈チベット民話〉』(唐 亜明 文、後藤 仁 画/浙江少年児童出版社)は、編集者に再確認した所、帯のデザインも決まり、中国にて、まもなく出版される模様です。乞うご期待~❣ 💑

○捜狐 「年终盘点 | 前所未有的2020年快要过去了,小活字感谢有你」

https://www.sohu.com/a/441439197_100161921

2021年“浙少云荐会”绘本专场回顾


9月16日

 私の作画絵本
『犬になった王子 チベットの民話』(君島久子 文、後藤 仁 絵/岩波書店) 【The White Ravens 国際推薦児童図書目録2014 選定/宮崎 駿さんの絵物語「シュナの旅」(後にスタジオジブリのアニメ映画「ゲド戦記」の原案になる)の原話にもなった名作民話絵本】 が、岩波書店では、とうとう ”品切れ”になってしまいました(後は、書店・ネット書店の取り置き分のみ、あり)。
 アマゾン Amazonでは、新品や中古品が定価より高く設定されて売られていますよ~。 ( ;∀;)ノ 
 私の高学年向けの渋めな「絵本」など、元より、大した量は売れない定めなのです。そんな中でも有難い事に、読みたい方々が、せっかく大勢いらっしゃるのに、作品が行き渡らないのは、大問題です。岩波書店さん、早め早めの増刷を、お願いいたします。<(_ _)>

○岩波書店公式サイト ─ 絵本『犬になった王子 チベットの民話』

https://www.iwanami.co.jp/book/b254895.html

○アマゾン Amazon ─ 絵本『犬になった王子 チベットの民話』
https://www.amazon.co.jp/%E7%8A%AC%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%8E%8B%E5%AD%90%E2%80%95%E2%80%95%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B0%91%E8%A9%B1-%E5%90%9B%E5%B3%B6-%E4%B9%85%E5%AD%90/dp/4001112426/

            *

 本日は、
中国向け新作絵本〈第3弾〉「第3場面」の”彩色(さいしき)”に入りました。まずは、主要部分に厚めに岩絵の具を置いていきます。絵本の原画の場合は、色の彩度を高めたいので、あまり地塗りを重ね過ぎない技法で描く事が多いです。
 大垣祭り「天井画」との並行制作なので、進展は遅々としていますが、確実に前進しています。
                
 昨晩、
中国向け新作絵本〈第1弾〉『青蛙緑馬〈チベット民話〉』《中国原創絵本精品系列》〔唐 亜明 文、後藤 仁 絵/浙江少年児童出版社、伝世活字国際文化メディア・小活字〕の”文章”の「校正(3校)」がデータで送られてきました。
 未だに、文章の手直しをしているようで、中国のコロナ禍がおおよそ収まった後に、ようやく校正・印刷作業が再開したらしく、とても時間がかかっています・・・。しかし、文章は絵と相まって、とても良い感じに仕上がってます。長らく待った分も、素敵な絵本に仕上がる事を願っております。<(_ _)>
 校正の記載が正しいとすると、10月には〈第1版〉が発売される様ですが、ただ、印刷は間に合うのでしょうか? 中国から日本・世界中の多くの皆様~子ども達・青年達・大人達にお目見えできる日が、実に待ち遠しいですね~💑 。
 

9月17日

 本日は、
中国向け新作絵本〈第3弾〉「第3場面」の”彩色(さいしき)”を進めました。究極の美人像が、だんだんと浮かび上がってきました~。 😻


9月19日

Celebrity Wiki ─ 「Jin Goto height - How tall is Jin Goto?」

 Discover today's celebrity birthdays and explore famous people who share your birthday. View popular celebrities life details, birth signs and real ages.
 こんな変わったサイトも見つけました。世界中の有名人・著名人の身長・年齢などを掲載しているらしいです~? 変なの~⁉ (@_@) >


https://www.celebheightwiki.com/jin-goto-height


9月23日

 先日まで、
絵本『犬になった王子 チベットの民話』が出版社で品切れになっていましたが、重版出来~❣❣、新入荷されました~💑。
 この機会に、ぜひ、書店・ネット書店で、拙絵本をご覧ください。よろしくお願いいたします。




★絵本『犬になった王子 チベットの民話』
  (文 君島久子、絵 後藤 仁/岩波書店)
  2090円(税込み) 〔ISBN 978-4-00-111242-9〕

 穀物のない国の勇敢で心の優しい王子が、美しくて思いやりのある娘ゴマンの愛によって救われ、苦難の旅を乗り越え麦のタネを手に入れるまでを描く、壮大な冒険物語です。犬になった王子の姿は、気高くもかわいらしいです。チベット族(チベット・中国四川省)の民話。
 Internationale Jugendbibliothek Munchen ミュンヘン国際児童図書館「The White Ravens 2014 国際推薦児童図書目録2014」に選定。 
 宮崎 駿「シュナの旅」(徳間書店/後にスタジオジブリのアニメ映画「ゲド戦記」の原案になる)の原話にもなった名作を初絵本化。
(※「ゲド戦記」の他にも、スタジオジブリ長編アニメーション映画「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「もののけ姫」等の壮大な世界観や、登場する人物・動物(ヤックル等)の描写は、「シュナの旅」~「犬になった王子」が原点になっていると言われています。)

○岩波書店公式サイト ─ 絵本『犬になった王子 チベットの民話』

https://www.iwanami.co.jp/book/b254895.html

○アマゾン Amazon ─ 絵本『犬になった王子 チベットの民話』
https://www.amazon.co.jp/%E7%8A%AC%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%8E%8B%E5%AD%90%E2%80%95%E2%80%95%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B0%91%E8%A9%B1-%E5%90%9B%E5%B3%B6-%E4%B9%85%E5%AD%90/dp/4001112426/

○絵本ナビ ─ 絵本『犬になった王子 チベットの民話』
https://www.ehonnavi.net/ehon/91533/%E7%8A%AC%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%8E%8B%E5%AD%90%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B0%91%E8%A9%B1/


9月24日

 私は”絵”の制作にのみ集中したいのですが、なかなか雑事が忙しくて、大変です~。(;''∀'')
 
中国向け新作絵本〈第3弾〉を少し描き進めましたが、なかなか、はかどりません~~。(@_@)φ


9月30日

 私は、普段は結構大雑把な人間なのですが、こと「芸術・美術・絵画」となると、こだわりが強く、その生来の芸術家気質が災いするのか、時々、他者から誤解を受けやすいようです。多分、それが原因で、高校や大学や、大人になってからも、いじめ的・差別的な言動を受ける機会が何度もありました。自分のバランスの悪い性質が良くないのだろうとは思うのですが、今さら変えられる訳でもなし、理解していただける人を期待するしかないのです。
 普段はそのような差別的な人々を、きっと先方が間違っているのだろう・・・、となるべく受け流し、自身が身を引く事で、トラブルを回避してきました。大抵、その傾向の人間は、攻撃的で野心的でいながら、本当は気が弱い性格だったりします。そんな人とまともに対抗・対決する時間は、誠に無駄で、もったいないのです。それより、自身の創作に没頭している方が、よほど幸せだからです。

 先日、心が酷く傷つき、著しく悩める出来事がありました。・・・多分、この10年・・・、いや、父親が亡くなった大学卒業の頃、以来かも知れませんが、最高に残念で、頭の中がこんがらがる出来事が起こりました。
 時に”真面目さ・頑なさ”は、何よりも鋭利な刃物になり得るのだと知りました。とにかく、恐ろしくて、さっぱり意味が分かりません・・・。いい加減な人ではない、生真面目な人ゆえ、そして信頼してきた人だけに、その刃のような、冷淡で、きつい言葉を、簡単に受け流す事もできないのです。
 「あなたは前とは変わった。心の中に悪いものがあるのか。そんな人では良い絵など描けない。・・・云々」という真摯過ぎる言葉は、私の絵描きとしての心を、いともたやすく、ズタズタに切り裂きました・・・。根っからの絵描きなど、元来、繊細なものなのです。私は自分自身を否定されても、何も思わない性格なのですが、我が子のような「作品」を、真面目に・完膚なきまでに、けなされる事だけは、耐えられないのです。愛おしい絵の中の生き物達が、可哀想で、可哀想で・・・。
 私は、「その人こそ、変わってしまったのだ。」「組織に守られた中だけは、自分の楽園でいたいのだ。」と思いたい・・・。そうでないと、本当に私が、そんな嫌な絵しか描けなくなったなら、生きている意味はないですから・・・。(それにしても、その人と私の付き合いは、数少ない仕事の打ち合わせの場だけであり、それも15年弱の期間ですので、変わったと言われる程、その人は私の真の姿を知らないのですが・・・。社会的には、実に失礼な発言とされるでしょうね。それでもなお、私は、その人が、かつて与えてくれたご恩には、心より感謝しているのです。)
 私はいつも素早く気を切り替えます。今回の出来事は頭の片隅で、一生忘れる事はできないかも知れません。ただ、作品で証明すべく、この後も、さらなる努力・研鑽を重ね、良い作品を描き続けるしか、その茨の画道しか、私には残されてはいないのです。


10月1日

 人は誰しも心の中に、良い部分と、悪い部分と、どちらでもない部分を持っています。人によって、時と場合によって、そのバランスが変化するのでしょう。自分の心の持ちようが良くない時には、写し鏡のように、相手の心も良くなく感じられる事もあるのでしょう。
  
「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず・・・。」 森羅万象は移ろいます。常に同じである事は、あり得ないのです・・・。

 私も歴史上の画家の例にもれず、こと ”絵(芸術・美術)”においては自己主張が強く、天の邪鬼な性格のようです。それがマイナスに出ると、大抵は半ば本気・半ば演技なのですが、時折、相手に不快な言動をしてしまっているのだと、反省もしています。そのような私の良くない言動による小さな波紋の数々が、やがて、大きな刃となって、自分に帰って来ているだけなのかも知れません。
 常に、相手の立場に立って、物事を考えるという姿勢は大切ですね。実際には、なかなか難しい事ですが、そう努力したいものです。偉大な先人がおっしゃられたように、隣人に対する愛であったり、仁愛(思いやりの心)であったり、慈悲の心というものは、人は、決して、忘れてはいけないのです。
 しかし、世の中の全ての事柄は、偶然を装っていながら、本当は、それが定められた宿命・天命であるのかも知れません。多分、その路が、自己にとって最良であるのだと信じて、この画道を、精一杯、懸命に、進みたいと思うのです。

            *

○絵本屋ピクトブック─絵本『犬になった王子』について書きました!

 私の作画絵本
『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)をご紹介頂きました。誠に有難うございます。
 
https://pictbook.info/ehon-list/isbn-9784001112429/


10月3日

 2017年8月4日に開催された、「第4回 東京あこう(赤穂)のつどい」(都市センターホテル、千代田区)には、赤穂市役所関係者と経済界の皆様が多いですが、東京都知事の小池百合子さん等の政治家の方々も、多くご参列されていました。(※これは過去のイベントです。去年・今年はコロナ禍で中止となっています。)
 私の隣に座られた、参議院議員・末松信介さんとは、「日本画」のお話で盛り上がりました。私の師の後藤純男先生(東京藝術大学名誉教授、日本芸術院賞・恩賜賞受賞者)の事もご存知で、日本画についてのご造詣も深くて、私は感心しました。それ以来、私の「個展」に御祝辞をお送りいただいたりと、大変お世話になって参りました。美術・芸術にご理解のある方が、政治界にも不可欠だと、私は、常々、考えてきました・・・。
 この度、私と同郷の兵庫県ご出身でもある末松信介さんが、”文部科学相(文部科学大臣)”になられるという事で、陰ながら期待しています。日本における、「日本画」や「絵本」等の文化・芸術・美術の更なる興隆を促していただける事を、切にご期待しています。
 また、同じく同つどいにご参加されておられた、衆議院議員・山口 壯さんは、”環境相(環境大臣)”に決まられたという事で、日本や世界の環境改善に邁進される事を期待しています。日本に美しい自然環境が無ければ、良い日本画・絵本など描けませんから・・・。
 私自身は芸術・美術・絵画の世界のみに生きる、基本、中道の人間ですが、どんな方向性であろうとも、政治界の皆様が、民意を反映された、清廉潔白なご政治を全うされる事を、切に願っています。


「第4回東京あこうのつどい」小池百合子都知事らと
「第4回 東京あこうのつどい」(2017年8月4日/都市センターホテル、千代田区)
 参議院議員・末松信介さんと、”日本画”についてのお話中。

「第4回東京あこうのつどい」小池百合子都知事らと
「第4回 東京あこうのつどい」(2017年8月4日/都市センターホテル、千代田区)
 東京都知事・小池百合子さんに、私の作画絵本『わかがえりのみず』 (鈴木出版こどものくに ひまわり版 2017年9月号)をプレゼント。


10月4日

○絵本ナビ EhonNavi ─ 岩波書店のおすすめ絵本と人気ランキング

 私の作画絵本
『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)は、「メンバー評価ランキング」では、光栄な事に、随分と長い期間、第1位に輝いています。しかし、「週間アクセスランキング」で、第4位(10月4日時点で)というのは珍しいですね~❤ 
 名だたる名作絵本と読み物が連なる、日本を代表する老舗大手出版社・岩波書店の児童書ラインナップでは、このランキングに入る事自体が、とても難しいのです。多くの皆様のご声援・ご応援のおかげだと、心より感謝しています。🥰

 
https://www.ehonnavi.net/editorpickupLT.asp?sno=19&pv=

10月5日

 さあ、いよいよ新たな、
日本国内向けの絵本制作が始まりました~。私が8年間も構想を温め続けてきた、素晴らしい民話絵本です。出版元は、誠に良い絵本を多数、刊行している、実力のある絵本出版社ですし、今、同社主力の「絵本シリーズ」になりますので、気合が入ります~。
 今日、出版社・編集者から、絵本の”文章”と”企画・構想”が送られてきました。

 さあ、来年は、制作がもっと忙しくなるぞ~~😉 さらにさらに、頑張らねばね~❣


10月6日

 昨日、中国系の出版社・編集部から、
絵本『青蛙緑馬〈チベット民話〉』文章校正(私が知る範囲では、第4校になります)が送られてきました。”絵”の校正はないので助かりますが、印刷の直前まで、文章の校閲が加えられるのは、編集部としては、実に大変ですね~。何事も簡単にはいきません。
 私は中国語を「文章(中文)」なら、おおよそ半分位は読めますので、簡単な文章でしたら、だいたい把握できます。聴き取りと話すのは、1割もできませんが・・・。"(-""-)"
 コロナ禍でもあり、予想以上に長い時間はかかりましたが、素敵な「絵本」に出来上がる事を願っています。


10月11日

 先日、10月9日(土)から、
日本国内向けの新作絵本「コマ割り(サムネイル)」(第1案)の作画に入りました。この第1案は、1~2週間程で完成させる予定です。
 私が、これまでの8年間、温めてきた構想に、編集者の新たなご意見を十分に取り入れ、膨大な資料・スケッチ・画像等を元に、構成していきます。この構想段階は、短期間ですが、最も頭をフル回転させる大変な作業になります。しかし、どんどん作画イメージを膨らませていくという、とても楽しみな工程でもあります~❤。
 絵本の原話がとにかく素晴らしいですし、とても素敵な「絵本」になりそうな予感ですよ~❣


10月12日

 本日、
中国向け新作絵本制作〈第3弾〉「第2場面」を描き進めました。「大垣祭り・天井画」(2023年5月に一般公開予定)と「日本国内向け新作絵本」(2023年5月頃に刊行予定)と並行しての大作3作品同時制作は、誠に大変です。多分、この絵本原画の完成までには、あと2年(2023年内か?)はかかりそうです。

 私はプロの画家ですので、画商や出版社等のご依頼で仕事をする場合もあるのですが、基本、自身が描きたいテーマ(画題)しか描きません。一枚物の「日本画」作品の場合は、全て、自分で企画・構想をねって、描きたいように描いています。
 「絵本」の場合は、通常、出版社・編集者のご依頼があって、初めて仕事が成立します。しかし、今回のこの絵本作品においては、編集者にご相談はしていますが、私が本当に描きたい世界を、気持ちがおもむくままに描いています。
 中国の国情も刻々と変化するので、いつ頃、どんな形で「絵本」になるのかは、確定していません。それでもなお、画家が本当に描きたい世界には、きっと多くの皆様も共感していただけるものと信じて・・・、絵本になろうがなるまいが、このシリーズだけは、ライフワーク的に、一生、描き続けていこうと考えています。😇


10月18日

 私は20歳代から現在までに、小中高校生~美術予備校生~美術大学生~私より若い年齢から90歳以上の美術愛好者まで、実に幅広い年齢層・生い立ちの、500人以上の方々に、美術・絵画の教育・ご指導をしてきました。その他にも、当然ながら、様々な社会的立場の無数の方々と、仕事や趣味等を通して、関わってきました。その中で感じた事は、人はそれぞれに異なる価値観や思想を有しており、皆が素晴らしい”個性・独自性”を持っているという事実です。穏やかな方もいれば、激しい方もいます。おとなしい方もいれば、賑やかな方もいます。複雑な思考の方もいれば、単純明快な方もいます。
 そんな世界の中で、やはり最も肝要なのは、他者をできるだけ理解しようとする意識です。思想・価値観・性格等のばらばらな他人を、どれだけ理解し共感できるかという試みは、実に難しい事ですが、とても大切な事です。
 少し意見が合わないからと言って、すぐに相手を遠ざけるのではなくて、お互いが理解しあえるまで、とことん話し合ってみる姿勢が重要です。それが仕事上なら、なおさら不可欠な要素なのです。

 特に、子ども達に何かを伝える仕事の人なら、それは絶対不可欠になります。意見の異なる他者を受け付けない頑なな精神を、子ども達に教え込むようでは、日本の未来も明るいとは言えないでしょう・・・。
 私は、実に心配なのです。私に、「あなたは変わった。あなたとは話ができない・・・。」等と安易に切り捨てた人。私はその後、1週間ばかりは、睡眠がかなり浅くなり、深く悩み・迷いました。やはり私がおかしいのだろうか、異常なのだろうかと・・・。
 しかし、何度も自問自答する内に、ようやくおぼろげながら、答えらしき物が見えて来ました。
───「私だけが原因なのではなくて、もしかしたら、先方こそ、何かが変化し、どこか精神に異変が生じているのではないか・・・。」すると、全てが氷解しました・・・。
 人はそれぞれ違っていて当然なのです。それなりに変化もするものです(本人が本質的に変わっていなくても、周りがそう捉えているだけの場合も多々あり)。それを頑として受け付けないのは、その人の精神がよほど疲弊しているか、崩壊しかかっているかです。そのような狭量な精神状態の人が、子ども達に何かを伝える仕事をしている事実に、私は将来的な大きな懸念を抱きました。

 人間は常に、他者を思いやる心・・・”仁愛・慈悲心・隣人愛”を決して無くしてはいけません。”寛容”とは、最も大切な心掛けの一つです。多様性・違いを認め合える社会の実現。・・・・誠に困難な道程なのですが、常々そう心掛ける努力を続けるしかないのです。
 今までの実績のように、この後も、その会社のそのセクションは、本当に良い仕事を続けられるのだろうか・・・。子ども達にとって、本当に良い内容を伝えられるのだろうか・・・。
 私の懸念が、現実にならない事を、今はただただ、祈りたいです・・・。

 絵師(日本画家・絵本画家)後藤 仁