凰稀かなめ退団公演のショー『PHEONIX 宝塚!! ~蘇る愛~』、やはり感想かかせて頂きます。
スタイリッシュな凰稀さんのイメージから想像できなかったコメディや、「そう来るの~?!」と既定路線を超えたサプライズが詰め込まれてました。

オープニングは、鳥の神様?に扮した緒月さん、実咲さん、朝夏さんの信号機トリオが登場。
朝夏さん、銀髪に赤いメッシュを入れたロングストレートのウィッグに赤い衣装。
緒月さんと実咲さんは、黄色と青。

凰稀さんは舞台後方、高い位置から登場。
羽を休めた純白の鳥・かなめ様。

次いで、大階段を使った男役総出の群舞!
衣裳は赤。
朝夏さんは途中から、新手を率いて登場。
大階段群舞って、圧巻ですね。
なんかもう、胸が熱くなります。

怪盗カナメールの七変化。
刑事キタロールの監視の目をかいくぐり、見事にお宝・ゴールデンフェニックスを手に入れられるか?!
カナメール七変化は、完全お遊びコーナー。
「だめよ、だめだめ」の時事ネタを取り入れたり、かなめ様が瞬間風速の早変わりに挑戦。
燕尾服の素敵な紳士、神父、アラブの石油王、シェフ、老齢の紳士、刑事キタロールにも!

Wキタロールは毎回アドリブで、コミカルな動きをシンクロ。
もみあげの縦ロールを指でくるくるねじったり、腕で糸を巻くようにクルクル回したり。
くるくるネタが多いのは、キタロールの髪の毛がくるくる縦ロールだから?!

そして、最後は絶世の美女・マドモワゼル・フェニックス登場。
ストレートロングのウィッグに、身体にぴったりのセクシードレス、高くてキュートな歌声。
ロング丈のドレスの裾がぱっくり割れてて、美脚が見え隠れ。
あの時、大劇場にいた全員が、かなめ様のおみあしに釘付けになったはず。

場面転換すると、朝夏さん中心のダンス(サラマンダー)
アラビアンな雰囲気で、民族舞踊調のコンテンポラリーダンス。

前々から、朝夏さんが高く足を上げる振付で踊るたび、シルヴィ・ギエムが思い出されて。
Six o'clock とか。(あそこまでしたら骨盤脱臼しそうなので、真似なくていいけど)
コンテンポラリー系、すっごくいいよ、まぁ様!
モーリス・ベジャール振付のボレロ、踊ってほしい!
(芹香さんにも同じような感想を書きましたが、朝夏さんに対して感じたのが先です、はい)

朝夏さんのダンスシーンでは、つい骨盤に注目しがちです。
もちろん、優雅な手足の動きも注目してますが。

朝夏さんはどんなに激しく踊っても、どれだけバランスを崩しそうな動きでも、恐ろしく軸がずれません。
手足が長い人はどうしても、ミニマムな人よりバランスが崩れやすく、スピードも落ちる傾向がありますが、朝夏さんは安定感とスピードを保持。

骨盤底筋群が鍛えられてるんでしょうね。
腸腰筋とか、鍛えにくい筋肉もばっちり作動してそう。

同じステップを踏んでも、朝夏さんは下半身がちゃんと骨盤から揺れてて、セクシー。
他の方々も、ちゃんと同じ振付で腰を振ってるんですが、明らかに違うんですよね。
朝夏さんは骨盤は揺らすけど、軸はまったくずれず、足裏は地面に吸い付いてる…みたいな。

あぁっ、映像でお見せしたい!
私の脳内に備蓄された、朝夏さんの華麗なダンスを…!
(宝塚復帰して浅いので、そんなにストックないんですけどね)

ショーに話を戻します。(脱線しすぎ)
凰稀さんとのデュエット・ダンス特集とも言うべきコーナー。
びっくりしつつ、うっとり♡

緒月さんと凰稀さんのデュエットダンスは、シンクロした動きで、寄り添いあうように。
仲良しの双子が踊っているような、穏やかで微笑ましいダンス。

次いで、朝夏さんと凰稀さん。
先程より距離をおいて、それぞれが踊る感じ。
朝夏さんから近寄っていくと、凰稀さんが朝夏さんの背後にまわり、両手で肩に手をかけ、ぽんと押し出す。
(これは、かなめ様から朝夏さんへの引継…というか、さぁ行きな、というエール?…ですね)
背中ごしに振り向いた朝夏さん、押し出されて去りながら、凰稀さんとアイコンタクト。

そう、ショーの間中、ことあるごとに朝夏さんは凰稀さんにアイコンタクトとってました。
凰稀さんは、みずからはアイコンタクト取らないけど、ちゃんと気づいて返してくれてた。
余裕の先輩と、先輩好き好きワンコ系後輩の図って感じでしたわ。

そして、真打ち登場。
デュエダンのお相手といえば、トップ娘役の実咲凛音ちゃん。
滑るようなエレガントなダンス、そして最後に凰稀さんが凛音ちゃんに熱くキス。

ただ、これだけでしたね、トップコンビのデュエットダンス。
とても素敵だけど、かなり短めであっさり終りました。

この後、ロミオとジュリエット仕立てのダンス・ドラマ?がありまして。
そこでは、実咲ジュリエットと朝夏ロミオが登場します。

ドラマ仕立てなだけに長いし、感情表現も盛りだくさん。
リフトもすれば、左右対称のシンクロ表現もあり、LOVE LOVEカップルダンス要素満載。
背中合わせに座っての動きや、朝夏さんが凛音ちゃんの手をとってクルクル回らせたり。

朝夏さん、凛音ちゃんの動きを、笑顔を浮かべながら目で追ってる様子がとっても彼氏。
体格差も、表情も、めっちゃ男女カップル。
ふたりでいる事が嬉しくて仕方ない様子が伝わってきます。
すでに、朝夏まなと&実咲凛音がコンビを組んでるように見える不思議。

抗争の果て、引き裂かれた朝夏ロミオと実咲ジュリエット。
ジュリエットは息絶えますが、フェニックス凰稀が生命の火を吹き込みます。
蘇生したジュリエットと、喜びを分かち合うロミオ。

フェニックス凰稀は、純白の衣装。
髪は、赤い挿し色のシルバーウィッグ。(ストレートロング)
中性的で神秘的ないでたち。

オープニングで大階段群舞はありましたが、黒燕尾の群舞もありました。
大階段で黒燕尾、たまりません~!

そして、最後のパレード。
幕が開くと、そこには階段中央に立った、朝夏まなと&実咲凛音のWエトワールが。

これが、凰稀さんのリクエストを叶えた場面でした。
「私の退団公演では、後任コンビを紹介する場面をつくりたい」と仰った凰稀さん。
こういう形で具現化するなんて。
なんて粋な計らいでしょう。

二番手の朝夏さんとトップ娘の実咲さんがエトワールを務めたこともあり、大階段降りの順番は緒月さん、そして凰稀さん。
後任コンビの紹介にあわせ、かなめさんを支えてきた同期の緒月さんに花をもたせる階段降りとなりました。

全部は書き切れませんでしたが、とりいそぎ印象的な場面をダッシュでメモメモ。
駆け足で、端折りまくりで、申し訳ありません。
本当は、七海さんら若手の見せ場や、ダンディな凰稀さんが娘役さん達と絡む歌の場面など、色々あったんですが。
(うん、わかってるよ。 まぁ君が出てないから、端折ったんだね?…と生暖かく見守って下さる方、ありがとうございます)

この公演、とりわけショーでは、朝夏さんがやたら輝いてました。
本当に目がキラッキラしてました。
これからトップになる、二番手の輝きでしょうか。
全身から放出されるオーラが際立ってました。

このショーのテーマソングを、「孤独だっていいじゃない」と明るく歌い上げた凰稀さん。
凰稀さんご自身に深くかかわる歌詞でしたが、明るい曲調に比して、厳しさと戦いが伝わってきました。
誰とも分かち合えない、トップスターゆえの重責と孤独を感じました。
凰稀さん、本当にお疲れ様でした。(まだ公演中ですが)
凰稀さんの前途が明るく、希望に満ちていることを、願ってやみません。

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