10月下旬の東京宝塚劇場、花組エリザベート上演中の望海風斗(89期)の楽屋にて。
そこでは望海をめぐり、朝夏まなと(88期宙組、元花組)、花組トップ明日海りお(89期)、期待の若手・芹香斗亜(93期花組)の三つ巴の睨み合いが展開されていた。

「…まぁ様? だいもんの部屋に泊まるって、どういう事ですか?」
「どうもこうもないよ? そのまんまだけど?」

朝夏先輩の飄々とした答えに、明日海りおは目を伏せ、深く息を吐いた。

「……わかりました」

伏せていた瞳を見開き、いつになく毅然とした口調で、

「まぁ様は、私の部屋に泊まって下さい」

花組トップの重々しい口調に対し、宙組次期トップはあくまで軽やかに

「みりおの部屋に?」

むしろ楽しげです、朝夏先輩。

「はい。 代わりに、私がだいもんの部屋で休みます」

本人に了解を得ず、相談もなく事を決める。
これが、今のトップのトレンドなのか?(次期トップも含む)

「なんだ、みりおが相手してくれる訳じゃないんだ」

朝夏先輩のどこまで本気か冗談かわからない科白に、凍りつくのは望海風斗ばかりなり。
当の帝王は、泰然自若。
多分、何言われてるか、意味わかってません。

「お一人が淋しければ、これもお付けします」
「みりおさん、なんで私を押し出すんですかー?!」

慌てふためく皇太子ルドルフ(173㎝)を見上げてるのに、何故か見下ろしている錯覚に陥れる、黄泉の帝王(169㎝)
威圧感たっっっぷり…!

…と、ますます白熱する楽屋を「ちょっとトイレ」と脱け出す、望海風斗。

「あれ? 望海さん?」

柚香光(95期花組)が苺パックを手にして、廊下に立っていた。

「なんか、疲れ切ってませんか?」
「…そう見える?」
「見えますよ~、大丈夫ですか?」

真剣な表情の柚香光に、心癒される望海風斗(89期花組、もうすぐ雪組)

「楽屋で横になられたら…」
「いや、ちょっと戻れなくて…」
「じゃあ、私の楽屋で休まれますか? 大部屋ですけど、良かったら」
「そうさせてくれる?」
「はい、もちろんです!」

柚香光はその名の通り、キラキラした輝きを放った。

「望海さんが来て下さるなんて、みんな大喜びです」

もちろん私も、と照れくさそうに笑う柚香光。
あぁ、癒される…と沁みる望海風斗。

「芹香さんに苺、お裾分けで頂いたんです。 良かったら、ご一緒に…?」
「うん、いただくわ」

またまた嬉しそうに笑顔を浮かべる柚香光。
あぁ、癒される…と感無量な望海風斗。

「…? 私の顔、何かついてます?」
「あー、ううん。 いつ見ても、彫刻みたいな顔だな~って」
「えー! 彫刻みたいな顔といえば、望海さんですよ!」

上気した頬の前で、ぶんぶん手を横に振る柚香光。
あぁ、癒される…と、これで何度目?な望海風斗。

幸いメイクと衣裳を完璧に仕上げていたおかげで、己の楽屋に戻らずに済んだ望海風斗であった。

望海風斗の楽屋で勃発した戦いがその後どうなったか?……なお、死して屍拾う者なし。



終劇。

明日海さんの性格がかなり違ってて、ごめんなさい。
キキちゃんも、勝手にごめんね。
朝夏先輩はサービス精神旺盛なので、これ位はお安い御用でしょう。
柚カレーちゃんは、おっとりしてそう。

だいもん、雪組でも、モテモテにモテまくるが良いわ♡
特に娘役さん達を虜にして、朝夏先輩を羨ましがらせちゃえ♡
…で、時々はみりお様に連絡してあげてね?


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