花組は次期トップコンビ決定により、2024夏以降の序列が多少、透けて見えてきました。
…とはいえ、人事異動があれば、また変わってきますが。
宙組がどうなるかが大きそうですが。
男役は何だかんだ言っても、基本的に長期計画に基づいています。
イレギュラー視されがちな鳳月杏とて、長期に渡って培われた実力と信頼関係あっての今のポジション。
劇団によるプッシュより、生徒間や宝塚ファンからの支持によって昇りつめた、ある意味『本物のスター』
本来あるべき姿の『スター』と言えるでしょう。
★花の娘役人事(PAST)
娘役は、その多くが短期決戦型。
仙名彩世(94期)、朝月希和(96期)、海乃美月(97期)…と、近年は高学年でトップ娘役に就任するケースも増えてきました。
ただ、ある日突然、モブの立場からトップに立てる訳もなく。
海乃美月はトップ就任前から、二桁台のヒロイン経験あり。
むしろ、通常のトップ娘役よりヒロイン実績を、就任前から備えているという。
朝月希和も複数のヒロイン経験を持っていました。
仙名彩世は新公ヒロイン経験こそないものの、バウや東上ヒロインを務めていました。
劇団が描いた青写真は、蘭乃はな(92期)⇒花乃まりあ(96期)⇒城妃美伶(97期)だったろうと思います。
仙名をトップ娘役に…と強く推したのは、当時の花組トップスター(明日海りお)だったろうと想像しています。
男役トップ・明日海は月組からの組替。
娘役トップ・蘭乃は月組、花乃は宙組、城妃は星組からの組替。
宝塚の筆頭組であり、他組へトップを輸出する事が多い花組。
それが、輸入トップばかり続きそうな現状(当時)
組子のモチベーション低下を懸念したのかもしれません。
花も実もある娘役が多い花組で、(明日海が)仙名を選んだのは、人柄や姿勢が大きそうです。
花乃まりあ退団公演の大楽カテコ挨拶で、明日海は「努力は報われるべきだ」と発言。
これは主に花乃に向けた言葉でしたが、後任の仙名にも当てはまります。
のちに仙名は、己の退団挨拶で「明日海さんのおかげで、宝塚人生が720度変わった」と発言。
明日海は「私は何もしていない」と返しましたが、水面下では『花組全体を見据えた視点』による、ある意味イレギュラーな推挙があったろう事を、推測させました。
トップスターは俯瞰して、組全体や組子たちの事を考えているのだろう…と思える人事でした。
★花の娘役人事(FUTURE)
星空美咲(105期・研5)が娘役ピラミッドの頂点に立つことが決定。
その下には、朝葉ことの(103期・研7)、美羽愛(104期・研6)が続くのでしょう。
❶星空美咲(105期・研5)
次期トップ娘役
ヒロイン経験(全ツ1、東上2、バウ1、新公1)
星空さんは芝居・歌・ダンスと標準以上の力を持ち、舞台技術に関して不安なし。
今後、「星空さんに憧れて」という後輩を育成していく立場になりますね。
永久輝せあと同時就任ですが、これは花組では稀有な例。
柚香光と星風まどかコンビは、お互いに再婚同士。
なので、同時退団は「そうなるよね」案件でした。
永久輝&星空は添い遂げるのか?
スライド制に戻すのか?
スライド制だと、トップ娘役も単独サヨナラショーがあります。
娘役が主役を張れる数少ない機会です。
近年は添い遂げが主流派な事もあり、スライド制もあってほしい。
力のある娘役さんですし、型破りな企画があっても良いかもしれません。
娘役が主演の企画とかね。
❷朝葉ことの(103期・研7)
ヒロイン経験(Wバウ1、新公1)
実力派の朝葉さん。
脚本の人物像を忠実になぞる姿勢からも、真面目で責任感が強そう。
大人の魅力も備えつつあり、舞台に厚みを持たせてくれるでしょう。
組内に専科さんが常駐してるみたいな、心強い存在になりそう。
❸美羽愛(104期・研6)
ヒロイン経験(バウ単独1、Wバウ1、新公1)
美羽さんは明朗快活でキュートな印象。
美羽さんのお芝居は、興味深い。
良くも悪くも、役を自己流にアレンジしがち。
基礎技術力が伴えば、個性として光りそう。
歌は苦手ながら、努力の痕は感じます。
巧拙以前に、音を取るのが苦手なのかな?
美羽さんは今後、他組へ異動するかもしれませんね。
雪組は、彩風咲奈(93期)が退団を発表。
夢白あや(103期)は残留確定。
次期トップは朝美絢(95期)が濃厚。
音楽学校時代、朝美さんに手紙を書いた美羽さん。
そのご縁で、研1でFirst Photo Bookで朝美さんと共演。
古くは麻乃佳世、近年では星風まどかが、憧れの人とコンビ結成。
こういうケースは最も幸せなシンデレラ・ストーリーの具現化。
ただ、雪組の若手娘役は、錚々たる面子。
音彩唯(105期)、華純沙那(106期)、白綺華(107期)、音綺みあ(109期)
音彩、華純、白綺はそろって歌うまさん。
音綺さんはちょい不明ですが、初詣ポスターモデル(音彩さんもですね)
なかなか分厚い壁です。
❹七彩はづき(107期・研3)
ヒロイン経験(新公1)
研2で『うたかたの恋』新人公演ヒロインに抜擢。
阪急電鉄のおでかけポスターモデルも務めました。
何かが飛び抜けて優れていたり、個性的だったり、あちゃーって事もなく。
何でもそつなくこなせるタイプなのかな?
❺糸月雪羽(100期・研10)
バウワークショップ『殉情』幕間のトイレ列で、聴こえてきた会話。
「芸者のお蘭、すごく歌が上手かったね」
「芸者の色気もあってね」
「誰だろ?」
糸月雪羽さんです!!…と教えたかった…!
なんなら、会話に入りたかった…!
糸ちゃんは不遇の100期生。
配属直後から抜擢された音くり寿。
トップに駆け上がった華優希。
この二人に挟まれちゃったんだもんね。
ですが、ヅカヲタや花担は知っていたよ。
糸ちゃんの綺麗な歌声や、破綻のない高値安定の実力を。
近年、糸ちゃんの抜擢が増えて嬉しいかぎり。
柔らかな雰囲気と確かな実力で、花組を支えてくれるでしょう。
❻咲乃深音(101期・研9)
花組が誇る歌姫・深音ちゃん。
音くりちゃん退団後、名実ともに花組を代表する歌上手の代表でしょう。
音くりちゃん健在の頃から、深音ちゃん as 花組№1と思ってました、個人的に。
美しさ、深み、柔らかさ、まろやかさ…。
女声の魅力を凝縮した声の持ち主だと思います。
滑舌も良く、芝居力もあり、ダンスも優雅。
花組の開演前アナウンスは、咲乃さんだと思ってます。
❼琴美くらら(103期・研7)
同期に朝葉ことの、詩希すみれといった歌ウマがいるので隠れがちですが、美声ですね。
お芝居の発声がしっとり、華やか、柔らか、耳触り良い。
『冬霞の巴里』のイネス役が印象的。
イネスはオクターヴ(永久輝せあ)の年の離れた姉。
過去の回想に登場します。
品が良く、優しげな佇まい。
儚げな風情(亡くなってしまいますしね…)
新公を卒業した琴美さん。
本公演での活躍の場が増えるといいな。
➑初音夢(105期・研5)
小柄で可愛い初音さん。
『冬霞の巴里』の少年時代のオクターヴ、『鴛鴦歌合戦』新公の古道具屋の八重が印象的。
全身バネか?…という位、元気よくピョンピョン跳ねてましたね。
ほんま、チャーミング。
❾湖春ひめ花(106期・研4)
音くり寿の系統かな、と思ってきました。
小柄でおぼこいけど、しっかりしてて。
ストイックな風情が、予科生の時から滲み出てました。
入団後は予想通り、技術面もしっかりした生徒さんでした。
❿花海凛(108期・研2)
美声の持ち主。
清廉なカゲソロが聴こえたら、それは花海凛。
『うたかたの恋』エンディング、全ツ『GRAND MIRAGE!』凪七&星空の場など。
テクニックに頼らず、まっすぐな歌い方。
喩えるなら、ふりかけ無しの品質勝負の白ごはん。
極上のコシヒカリ。
『うたかたの恋』初日、カゲソロが耳に入った瞬間、吹雪の森がみえました。
心揺さぶられる歌声です。
…と、10人くらい取り上げてみました。
上記のうち数名は、予科生の頃から認識していました。
コロナ前は、各種募金などで。
それから、文化祭。
これからも一方的に見守らせて頂きます。
花娘は可愛いの宝庫ですね、と改めて。
▽さすがの花娘