2024年4月8日(月)午前、星組トップ娘役・舞空瞳(102期・研9)の退団記者会見がエスプリホールにて行われました。

 

トップスターの退団会見は大阪市内のホテルが主流。

各メディアの足も考えてのことでしょうか。

 

トップ娘役の退団会見は「宝塚大劇場内にて」との記載が多く、広めの会議室かどこか?…と疑問でしたが、エスプリホールでしたか。

なるほど。

 

エスプリホールは宝塚大劇場3階にあります。

ホールと銘打たれていますが、小規模の宴会場という感じ?

シアター形式なら、200人超を収容可能。

 

新人公演ステージトーク(現在は宝塚ホテル・琥珀)

団体客の昼食会場

私設FCお茶会会場

 

…等として活用されてきました。

コロナ禍、私設FCのチケット受け渡し会場だった事も。

 

個人的にエスプリホールは好きです。

大劇場内の施設なので。

駅から近いし、道に迷うこともないし。

観劇後のお茶会なら、移動時間や手段の心配もなし。

 

何よりも、ときめく…!

大劇場の中にいられる訳ですから。

 

しかも閉館後の時間帯に、大劇場内にいられるとは。

どんなご褒美?!

このまま泊まっていいの?!

(あかん、あかん)

 

……呼吸を整えて。

 

ただ、トップスターが大阪のシティホテルで会見なら、トップ娘役は宝塚ホテルでも良いのでは?…という気持ちもあったり。

隣接してるし、宝塚歌劇オフィシャルホテルですし。

 

宝塚の男役・娘役の関係性って、戦前の昭和が生きてますよね。

それがある種の美学なのでしょうけれど。

 

現実ではあり得な…くはないけれど、かなり稀少になってきた光景が宝塚にはある。

 

それはそれで、宝塚歌劇の特色であり、魅力のひとつだろうと思います。

 

…ですが、「そこまで差をつける意味あるの?」と感じる事もあります。

 

自社内のスペースで記者会見を開くこと自体は、全く問題ないと思います。

折角そういうスペースがあるなら、活用すれば良いですし。

経費の節減にもなります。

 

それなら、トップスターもエスプリホールで会見開いても良いのでは?

「それは流石に…」というなら、隣接してるオフィシャルホテルで開くも良し。

同じグループ企業にお金を落とす訳ですし。

阪急阪神グループとしては損しません。

 

いや、わかってます。

マスコミ各社の便宜を配慮しての大阪市内ホテルでの会見だろうことは。

宝塚まで行くの、大変ですもの。

 

トップスターに課せられた(特に集客)責任は、同じトップでも娘役には及ぶべくもない事も。

 

…でも、舞空瞳もかなり集客に貢献してると思うんやけど。

 

だからといって、他の娘役と差別化しろとは申しません。

 

ふだんから全般的に、男役と娘役の格差を感じているので、改めてモヤッとした次第。

 

男役を立てる娘役の姿を、美しく感じる感性は私も刷り込まれています。

 

宝塚を観ていると、男役が「男役」という芸を磨くように、娘役も「娘役」という芸を磨いている事に気づきます。

 

OSKを観るようになり、それは顕著になりました。

 

OSKも娘役が男役を立てますが、それは舞台上のこと。

同じ舞台でも、フリートークになると、ほぼ対等。

(下級生が控えめなのは、宝塚と同じですが)

 

学年や関係性による差異もあるでしょうが、相対的に宝塚に比べるとフラットに近い印象を受けました。

 

例えばトークショー系で行われるゲームは真剣勝負。

相手が誰であれ、忖度なし。

(あくまで、私が観た時の印象ですが)

 

ゲームのルールによっては、ここは△△(男役スター)を勝たせた方が観客も喜びそう…と考えながら観てた私。

ですが、そこ全く気にせず、素で勝って喜んでました。

(少なくとも、私が観た回&メンバーは)

 

すごいなぁ…!

多分、宝塚では働くやろな、多少の忖度。

 

OSKを通して、宝塚の徹底ぶりを改めて感じた、と申しますか。

 

どちらが・何が、良いとか悪いとかじゃありません。

 

素を見せてくれるのも嬉しいし、徹底して美学を貫く姿勢もあっぱれ。

 

どちらも、それぞれの良さがあります。

 

…と思いつつ、娘役のがんばりが認められてほしいなと…願わずにいられません。

 

娘役が『この世には存在しない理想』を体現すればこそ、男役はより輝きを増し、『夢のような幻想』を魅せてくれると感じています。

 

トップコンビを素敵に感じるのは、互いの切磋琢磨とリスペクトの相乗効果。

 

礼真琴と舞空瞳のコンビに吸い寄せられるのは、礼さんのずば抜けた舞台技術力に加え、笑顔の舞空さんが寄り添っている効果もとても大きいと感じています。

 

娘役の輝きが、男役をさらに輝かせる。

それを実感できるトップコンビの一典型だと思います。

 

 

▽ 清く正しく逞しく

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4月8日(月)星組トップ娘役・舞空瞳が、政界コメディ『記憶にございません!』、カルナバル・ファンタジア『Tiara Azul -Destino-(ティアラ・アスール ディスティーノ)』(宝塚大劇場:2024年8月17日〜9月22日、東京宝塚劇場:2024年10月19日〜12月1日)をもって退団することを発表し、記者会見を行いました。 

 

村上浩爾(宝塚歌劇団理事長)
「星組トップ娘役の舞空瞳が、2024年12月の東京宝塚劇場公演千秋楽をもって、退団することとなりました。瑞々しい魅力で、素晴らしい舞台を届けてくれる彼女の退団は惜しまれるところではございますが、退団のその日まで舞台を華やかに彩ってほしいと思っております。ご支援のほどよろしくお願いいたします。」

舞空瞳
「今まで私に出会い、導き育ててくださった皆さま、そして応援し続けてくださったファンの皆さまに、心からの感謝の気持ちで胸がいっぱいでございます。最後の日まで小林一三先生の“清く正しく美しく、そして朗らかに”のお言葉を胸に、宝塚の娘役として日々精進してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。」

~退団を決意したきっかけ~
「礼真琴さんとご一緒させていただいた12作、いろいろな課題と向き合いながら礼さんと星組の皆さんと舞台をつくりあげていく過程は、私にとってかけがえのないものになったと感じています。宝塚歌劇100周年で宝塚音楽学校を受験してから、現役生として110周年の節目を迎えられたことや、小さい頃からずっと憧れていた『ME AND MY GIRL』のサリー役もさせていただいたことで、充実感があふれ、退団を決意いたしました」

~印象に残っている役~
「花組で初めて通し役をいただいた『ハンナのお花屋さん』のハンナ役は、今でも初心を思い出す大切な役となりました。星組では『ロミオとジュリエット』のジュリエット役で、素晴らしい上級生の娘役さんたちが演じてこられた役を前に不安もありましたが、周りの皆さまに助けていただき、新たな自分を発見できました。柴田侑宏先生の作品に出演したいという夢が叶った『バレンシアの熱い花』も、大変印象に残っております」

~相手役の礼真琴について~
「礼さんには前作の大劇場公演お稽古中に退団の意思をお伝えしたのですが、“なこちゃんが決めたことなら全力で応援するよ”と温かい言葉をかけていただきました。前に進めないと感じるような壁にぶつかった時には、一番近くにいてくださった礼さんから“舞台を全力で楽しもう”と常に前向きなお言葉をいただき、進み続けることができたと思っております。」

~宝塚生活を振り返って~
「心豊かに、品性を大切に、舞台を務める娘役を理想としてまいりました。宝塚を愛する気持ちがすべての原動力で、私に夢を与えてくれた宝塚への想いはずっと変わりません。そして、どんな時でも手を離さずに導いてくださる、信じ合える方たちに巡り会えたことは一番の財産です。」

~ファンの皆さまへ~
「いつも心を寄せてくださり、ずっと背中を押し続けてくださった皆さまがいたからこそ、ここまで歩むことができました。この感謝の気持ちを舞台の上からお届けできますよう精一杯務めてまいりますので、最後の日までどうぞよろしくお願いいたします。」