【決勝マシンガン】
決勝戦直前に対戦相手と話した。
いろんな試合場でよく会っていたので顔見知りだ。
身体は一回りでかく、髪を短くおむすびのように刈り上げている。
彼が嬉しそうに言う。
「やったね、ここまで来たら一位か二位確実だ。」
オレはそれを聞いて内心、
「絶対に勝ちきってやる」と思った。
そしたら勝った。
中学の時、近くの剣道大会で一度優勝した事がある。
実はその数週間前にも別の試合があった。
その時は決勝まで上がって、そこで安心した。
すると負けた。
両方とも小さい大会だ。
でもあの時、何かが見えた。
だがそれ以降は、全然だめだ、途切れている。
あの時のビュンとした心の冴えは、よく憶えているのだが不思議だ。
すぐ隣にありそうだが、それを完全に自分のものにするのは難しい。
それに、例え得る事ができても、勝負の世界はわからない。
ましてや、勝ち続けている人の心なんて鉄人だ。
引き裂いて見てみたいと思う人がたまにいる。
「勝つ!」と気合い十分だった海千山千の彼女達も勝利は難しかった。
よく頑張ったけどね。
ああでも残念、なでしこJAPAN!
かなりショックがスド~ンだったよ。
しかし、アメリカの気合いは半端なかった。