【ハイヌーン】



太陽がジリジリ、

対決のハイヌーン。

隣の村の子達と今にも一触即発だ。

公園にいきなり現れた見ず知らずの子供達。

最初は別々に遊んでいたが、狭い公園の中だ、

もともとやばい予感が向こうの上級生の目つきにあった。

案の定、気がつけば背後で、上級生同士がぶつかっていた。

飛び交うケンカ言葉で、下級生にも緊張が走る。

いつも一緒に遊んでいるアニキ分だ、

ただ傍観するわけにはいかない。

オレは後ろで、友達と一緒に何とか踏ん張った。

手には虫眼鏡。

「ようし、こいつで相手の太ももをアッチッチしてやる!」




友達と虫眼鏡で遊んでいた。

太陽の光を集めて、紙を燃やす。

いつも頭上で当然の如く輝く太陽だが、

その超パワーを最初に教えてくれたのは虫眼鏡だった。

遙か頭上の炎が、オレの手元にやってきた。

宇宙空間で激しく燃える太陽の一部を、好きな時に発射できる。

最初は紙だが、もちろん子供はエスカレートする。

葉っぱ、砂、そして、蟻、バッタなどの昆虫などだ。

さすがに虫には罪悪感を憶え、遂には、自分達の太ももだ。

「あちい!」

そんな時、上級生がケンカを始め出した。

当然、手には最強の武器が。

すくっと立ち上がったが、今思えば噴き出す。

はたして結果は?

焼けるわけ無いっつうの。

でも最初に虫眼鏡を手にした時、何かスーパーパワーを使えるような

そんな錯覚を持った。

その後は確か、そのグループは立ち去り、大ゴトにはならなかった。

でも、本気で虫眼鏡片手に走り回ったらさぞ滑稽だったネ。




夏、大人は暑いが、子供は熱いゼ!

あの頃は、太陽がギラギラする暑さじゃなければ面白く無い!

という遊びをよくしていた気がするよ。