【雨だれ】
朝からの激しすぎる雨で、外での仕事が飛んでしまった。
電話を切った後、ザーザーの音に眠気を誘われ、
窓際のベッドにちょっと横になった。
すると、左肘に水滴が跳ねてきたので、見ると
横の窓がわずかに開いていた。
起き上がり、窓を完全に閉めると、雨だれに気がついた。
ダラダラと幾筋にもなって窓を流れ落ちている。
あんまり絶え間ないので目で追いきれない。
目をつむって寝ようとしたが、数分で目が開いた。
すると雨は弱まっていて、窓には水滴だけがついている。
一つの水滴が、水滴に留まり留まりしながらゆっくり降りてくる、
と思ったら、突然スーッと筋になって落ちていった。
透明のオタマジャクシが、透明のパチンコ台をゆっくり降りて、
最後に穴に消えていくようだ。
昔オレはいつも雨だれを見ていた気がする。
久しぶりに、心をツーッと拭いてくれたような感じがした。