ある夜部屋にいたらノックの音がした。
誰だと思って開けるとそこは宇宙だった。
思わず踏み出しそうになり「ウワッ」とノブにしがみつくと、
手に持っていたペンが滑り落ち、足元に遠く散りばめられた星のきらめきにクルクルッと浮かんだ。
なんとオレの部屋が宇宙空間を飛んでいる!
すると突然!?ドアの上からロボットが逆さまに顔を出した。
思わず飛び下がると、四角のふたつの目がじっとオレを見つめ、
アンテナの様な耳がくるくる回転している。
口は電飾が真ん中から左右に流れ、不気味な電子音を発していた。
このままロボットとにらみ合いかと思いきや、ロボットはずるずる頭から
落ちだし、胴体をあらわにしだす。
だが、頭部から想像する身体がとんでもなく大きいようで、
ずるずる落ちてきた頭部はドアの下に消えたが、その機械の身体は
ドアいっぱいを覆って上から下へ延々と流れていく。
何が起こっているのか訳のわからないままドアを凝視していると、
ようやく炎を噴き出す切れ目が一瞬見え、目の前は再び宇宙空間に
戻った。
オレは急いでドアに駆け寄り、真下を見ると、
そこには何と!?先頭部分にロボットの頭だけつけた巨大宇宙戦艦がこちらを向き浮かんでいた。
あんぐり唾を飲み込むと、ロボットの頭だけがゆっくりこちらを向く、
そして四角の目が光った瞬間いきなり光線となり、オレの身体を包みこんだ。
光の中で一瞬フワッと宇宙空間に浮かんだ感覚になり、
気がつくとオレは宇宙戦艦の中に取り込まれていた。
艦橋の向こうにはオレの部屋のドアが電気スタンドの明かりを鈍く光ら
せ、宇宙空間に浮かんでいる。
突然、轟音が艦内に鳴り響く、
気がつくと艦内では先程顔を出したロボットが何体もちゃんと胴体をつけ
うごめいている。
するとジュバ――――――――!
メガマックスの猛スピードで、星の光りが線となる空間を突っ走り始めた。
いったいどこへ連れて行こうというのだ!
「ジェット惑星に行くのよ」
その声に横を向くと赤いボディスーツに身を包んだ謎のジェット美女が
オレに微笑んでいた。
遠く太陽らしき恒星がヒトデの様な形で、周りに集まる星を
絡め取るように白く光を放っている。
つづく
続きは12/26日 千日前味園ユニバースで。