本日は手相は少し息抜きして

大切にしている物語のご紹介です。

「西の魔女が死んだ」

梨木香歩さんの小説です。

学校に足が向かなくなった

感性豊かな女の子が

高原に住む祖母の家で過ごす一か月間。

そのおばあちゃんの家系は

「その手」の能力を受け継いでいて

女の子もおばあちゃんから

「魔女修行」の手ほどきを受けます。

高原の自然も瑞々しい描写で

綴った美しい小説。

大切にしている物語で

長いこと手元に置いています。

刊行は平成６年ですから

なんとも時の経つのは早いです。

忘れたころにふっと思い出して

繰り返し読むのは

「魔女」であるおばあちゃん言葉を

また思い出したいから。

ワタシの大好きな「魔女」のセリフを

いくつかご紹介します。

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なぜ学校に行かなくなったかを

おばあちゃんに打ち明ける場面。

「わたし、やっぱり弱かったと思う。

一匹狼で突っ張る強さを養うか、群れで生きる楽しさを選ぶか・・」

（こんなことを言える中学生もスゴいのですが‥）

「その時々で決めたらどうですか。

自分が楽に生きられる場所を

求めたからといって、

後ろめたく思う必要はありませんよ。

サボテンは水の中に生える必要はないし

蓮の花は空中では咲かない。

シロクマがハワイより

北極で生きることを選んだからといって

誰がシロクマを責めますか。」

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魔女であるおばあちやんの言葉は

迷いなく説得力があるのですが、

尊敬の念を抱きつつも

おばあちゃんの思い通りにはならないぞ！

という気持ちよくわかります。

自分が楽に生きられる場所・・・

学生さんでしたら学校

大人でしたら職場や社交グループ

などでしょうか。

この小説のまいと同じように

今の環境は大変だけれど、ここで離れたら

「敵前逃亡」になってしまうのではないか。

と真剣に考えること、ありますね。

付属の大学病院で働き始めたとき、

同期が３か月くらいでパッと辞めてしまって

ビックリしたことがあります。

でのその子はすぐに地元の総合病院に勤めて

立派なお嬢様も育て上げ

今ではその同じ総合病院で役職付きでがんばっています。

それとは逆に最初は大変でも

徐々に慣れて逞しく成長する場合もありますものね。

おばあちゃんが言うように

「大切なことは自分で決める。」

「決めたら、粘り強く続けてみる」

ということかもしれません。

そしてシロクマだったら

シロクマに適した生活環境

シロクマの生態

シロクマの好み・嗜好

を良く知って、

シロクマなりの幸せの目的地を決めることですね。

シロクマは働くために

生まれて来た訳ではないですもの。

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そしてもうひとつ。

ある事件が起こって

孫娘のまいが怒りと憎しみの気持ちで

一杯になっているときの言葉。

「いいですか。

これは魔女修行のいちばん

大事なレッスンのひとつです。

魔女は自分の直観を

大事にしなければなりません。

でもその直観に

取りつかれてはなりません。

そうなると、それはもう激しい思い込み

妄想となってその人自身を

支配してしまうのです。

直観は直観として

こころのどこかにしまっておきなさい。

そのうち、それが真実であるか

分かるときがくるでしょう。

そして、そういう経験を

幾度となくするうちに

本当の直観を受けたときの

感じを体感するでしょう。」

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 「直感」（と感じる）ものは

「こうなったらいいな」という

「希望的観測」が多いような気がします。

「あまり上等でなかった魔女達の多くが

そうやって自分の作り出した妄想に

取り憑かれて、自滅していきましたよ」

妄想に取り憑かれる‥ 

とても苦しそうです。

欲や我が強くなり過ぎると

直感を装った妄想が出てきます。

これが、気を付けていてもうっかりする時があるので心しないといけません。

皆さまも人生で時折読み返す

大切な本はありますか？

その時々で、感じるポイントが

違うのが面白いです