さて、皆さんはヘリコプターに追いかけられたことありますか?
ある訳無いよね。
うん、フツーは無いだろう。
おいらはあるんだなぁ...
おいらがバイク便の頃の、遠い昔のお話です。
ある日の夜、都内の会社から大井水産埠頭の、とある事務所まで書類の配達をするおぴごとが舞い込んだ。
正直、「うわ、めんどくせー」と
大井水産埠頭は、日中は船から下ろしたり積み込む荷物を配送する、トラックやトレーラーがメチャクチャ居るんだけど、夜になると全く誰も居なくなる。
その誰も居ない港湾地区の交差点を、バイクでどれだけ早く曲がれるかっていう、アホな遊びをするローリング族って輩が、数百台も夜通し集結していたから。
んで、確か夜中の2時位に配達に出かけた訳ですよ。
確か、八潮団地の側から埠頭に入ったと思う。
良く連中が溜まっているのは、そこから2km位先の突堤の近くだ。配達先はその途中にあるから、まぁ連中には巻き込まれずに済むだろう
とか何とか思いながらバイクを走らせていると...
何かから逃れる様に、何十台ものバイクが反対車線をカッ飛んできた
おおよそ120〜130kmは出てるだろう。
ちょっと尋常じゃないなぁ、何があった
その頃、そのたむろしている集団を脅かす「潰し」と言われる輩が出没するなんて話も聞いてたから、それが現れたのかな?と思った。
んで、そのまま道を進んでいると...
パッと目の前が真っ白になった
何も見えない、本当に何も。
自分の手やバイクのメーターも何も見えない。
なんじゃコレ?
おいら死んだのか?
なんか、上から光線を照射するUFOにでも、拐われそうになってんのか?
余りにも何も見えないので、恐ろしくなってバイクを停めた。
なんだろう?
すると、パッと光が先の方に移動した。
完全に幻惑されているので、目が慣れるまで数十秒は掛かったかも知れない。
目に飛び込んで来た光景は、反対車線を逃げ惑うバイクの群れを追いかけてる警察のヘリ。
そのバイクを、上空からサーチライトで照らしてるんだな。
どうやら、ローリング族の一斉摘発らしい。
冗談じゃねーよと、また走り出したのだが、上空から見ればローリング族もバイク便も見分けが付く訳がない。
どうやら逃げ出そうとしているのと勘違いされているらしく、暫くすると、またヘリから照らされ、目が見えなくなるので停まる。
そんなことを何度か繰り返した。
そのうち、前後からパトカーが道いっぱい、横並びになって現れた。
前の方からは、道を逆走して逃げ惑うバイクの集団が
「西部警察かよ!!」ってワンシーンだったなw
結局、パトカーのお巡りさんに「おいらは関係無いっつうの」と説明をして包囲網から解いて貰ったのだが、それにもメチャクチャ時間が掛かった
次の日、その一斉摘発が、大きく新聞にも載ってましたとさ。
それにしても、ヘリからサーチライトで照らされるのって、結構怖いのでオススメしませんですよ、はい