自分が体験したからではないのですが、商慣習で不条理と感じることがあります。

 

袂を分かつに当たって、元いた職場の取引先に、その職場の批判をして営業をかけるべきではない。

これは解ります。前職場に対する義理もさることながら、その取引先が、どちら(元の職場か離れた者か)を支持しているのか不明であれば、元の職場にその批判の真偽を確かめる可能性もあり、そうなると批判したことが知れてしまい関係が険悪になるおそれがあります。

 

しかし、その職場が、最早、閉めることを考えるべき状況にあり、それにより経営者が困窮するおそれはないにも関わらず、その私欲のために存続し、取引先は実質的に利用されている状態が観てとれるときに、その事実を取引先に知らせることが、そんなに悪いことなのでしょうか。

むしろ、取引先が気付くまで傍観している方が、冷たいような気がするのですが・・・。

 

あと、こうした場合に、元の職場から離れた者が、その取引先と関係を持つようになることも、あまり良しとされない傾向があります。

どこと新たな取引に入るかは、その取引先の決めることなので、強引に営業をかけるのは、良くないことだとは思いますし、それで誘い込んだ場合に、その後の力関係に悪影響を及ぼすおそれがあり、営業をかけた者にとっても結果として良くないと思います。

 

しかし、もう元の職場では、これまでのような業務はできない。かと言って、新たな取引先を探すのも大変だし、そこが同様の質を提供できるかわからないとした場合、離れた者(つまり、現状では、最も同様の質で業務を提供できる可能性がある者)が声をかけることが、そんなに悪いことなのでしょうか。

 

最近、「忖度」と言う言葉がよく出てきますが、こういう商慣習も似たようなものに思います。