5月21日、22日に茨城県つくば市で開催された第64回日本卵子学会学術集会に参加してきましたので今回はそちらの様子をレポートしたいと思います。

 

 

 

日本卵子学会は、人類および動物の卵子/精子形成、受精、胚発生、着床および遺伝の研究、体外受精などの生殖医療に関するテーマを議論する会員約2100名の学会です。

 

生殖補助医療胚培養士、管理胚培養士の認定も行っています。

 

 本学会は、基礎研究者と臨床医、そして胚培養士の会員から構成されています。受精・発生に関する基礎研究をメインテーマとして昭和35年に前身となる会がスタートし、現在では生殖医療にかかわる臨床医、胚培養士が加わり、生殖に関する研究を扱う、基礎研究者と臨床家が混在する数少ない学会です。

 

この学術集会の大会長はこれまで大学やナショナルセンターの先生が務めて来られましたが、来年の第65回大会の大会長を民間のクリニックとしては初めて当院の塩谷雅英が務めることとなり、その準備や視察も兼ねて参加してきました。

 

 

今大会は、医薬基盤・健康・栄養研究所の山海 直先生が大会長を務められ、現地(つくば市)とオンデマンド開催のハイブリッド形式で、合わせて参加者はおよそ1500名となる大きな学会でした。

現地では2つの講演会場と、ポスター発表会場があり、基礎から臨床まで様々な講演や発表が行われました。

 

学会名は「卵子」学会ですが、もちろん卵子だけでなく、精子、受精卵、それらを取り扱う技術など最新の話題が盛りだくさんでした。

 

今回は各施設から108の一般演題発表があり、基礎研究から保険診療に関するのものまで幅広い内容で、参考にしたいものも数多くありました。

 

当院からも胚培養士2名

「非侵襲的着床前胚染色体異数性検査(miPGT-A)の有用性について」

「当院での3種類の凍結融解液を用いた胚凍結融解後の成績」

という内容で一般演題の発表を行いました

 

 

また、本学会の認定を受けた胚培養士は、倫理講習会を受けることが求められており、今夏の学術集会でも講演がありました。

 

私自身は胚培養士ではありませんが、研究に携わる立場でもありますので、聴講しました。

 

演題は「iPS細胞とヒト胚研究の倫理」

ヒトiPS細胞の樹立により、ES細胞における倫理的課題が克服された言われるが、iPS細胞のもつ大きな可能性から、ヒトの配偶子(精子や卵子)を作ることもそう遠くない将来、現実味を帯びてくることになるとやはり結局は倫理的課題をさけることができない。

 

研究における倫理的課題というのは、これが正解というものがなかなか存在しない問題ですが、こうした研究を認めてもよいかどうかや、認めるとしたらどのようなことに懸念を感じるかなど一般の方たちの意識調査なども紹介され、とても印象に残った講演でした。

 

ともすれば私たちはそういった点には気づかず研究を進めてしまいがちですが、本講習はあらためて倫理的課題に立ち戻って考える、とても良い機会となりました。

 

 

このような大きな学会を来年には当院が主催で開催させていただけることは名誉であると共にプレッシャーもありますが、今大会に遜色のない素晴らしい大会になるよう準備を進めていきたいと思います。

 

 

文責:[研究開発センター] 山本 健児 [理事長] 塩谷 雅英

 

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