少し時間がたってしまいましたが、

今回は6月25日日曜日に開催された日本生殖医療支援システム研究会(jrmss)の参加レポートを紹介したいと思います。

近年、インターネットやスマートフォンなどの情報端末の普及は目覚ましく、医療においても、会計システムだけでなく、電子カルテ、画像保存などへの電子機器の応用が進められています。


 一方、医療は最先端技術の導入等により高度化し、また患者ニーズは多様化していることから、より安心・より安全・より確実な医療サービスの提供をおこなうためには、様々な診療支援システムの活用が期待されます。


 このような背景から2013年に岡山二人クリニックの林伸旨先生が本研究会を立ち上げられ、生殖医療支援システムについての情報交換や要員育成をおこない、『より良い医療サービスの提供』を目指して、毎年研究会が開催されています。

また、当院理事長の塩谷雅英が林先生の後を引き継いでjrmssの理事長に就任することとなりました。今後も本研究会のさらなる発展を目指していければと思います。

さて、今年は広島HARTクリニックの向田哲規先生が大会長となられ、「ICT/IoTとAIを活用したART医療」というテーマを掲げられました。

 

 

現代はICT(情報処理技術)、IoT(Internet of Things=モノのインターネット)、AI(人工知能)という言葉・技術はあらゆる領域で使われるようになりつつあります。

 

コンピューター(スマートフォンも含め)やインターネットは生活の一部となっていますし、AIもChatGPTのように誰でも手軽に利用できる時代になってきました。

 

医療もこれらの技術を活用することはすでにあたりまえとなりつつあり、いかに活用するか、工夫するかという段階まできているのではないでしょうか。

そういった意味からも、どのようなお話が聴けるのか楽しみに参加しました。

 

基調講演では「保険診療下での電子カルテのカスタマイズ」というサブテーマのもと、3名の先生方が、それぞれの施設の電子カルテシステムと保険診療の効率化に向けたカスタマイズについてお話しされました。

 

特別講演ではGS1ジャパンの植村康一先生より「生殖医療におけるGS1バーコードの可能性」という講演がありました。GS1とは世界110か国以上が参加する国際的な流通標準化を推進する団体で、バーコードの標準化も行っています。

バーコードと一口に言っても、1次元、2次元、それぞれに何種類もありますが、それらの規格についてGS1で標準化されています。

 

現在ではトレーサビリティ向上の観点から、あらゆる商品にバーコードがついています。

2019年の薬機法の改正によって、医療安全の向上を目的に医薬品や医療機器にもバーコード表示が義務化されました。

バーコードには医薬品の名称や規格、使用期限や製造番号の情報を付加されていて、より厳密な管理を行うことが可能となっています。

 

講演ではそのようなバーコードの仕組みや規格、活用事例などを詳しく解説いただきました。

 

当院でも医薬品の管理にバーコードを活用したシステムを導入しています。

また、生殖医療においては、卵子や、精子、受精卵の管理がとても需要となり、それらの取り違え防止のためにバーコード認証を行っておりますが、それらをさらに発展させる可能性を感じられる講演となりました。

 

 

 

 

「生殖医療現場での“あったらいいな”活用事例」と題したシンポジウムでは、4施設からそれぞれの活用事例について講演がありました。

このシンポジウムでは当院の事例として患者さまからのご質問や問い合わせに活用しているメッセージ機能の導入から運用までなどについてシステム管理部門から発表いたしました。

 

 

 

各講演のあとは、総合討論が設けられ、活発な意見交換が行われました。

 

 

保険診療が拡大されたことによるメリットは大きいものがありますが、一方で必要な書類や手続きが多くなり、診療時間が長くなってしまうなどの影響も出てしまっています。

ICT/IoT技術を活用することでそれらの問題も少しずつ改善できるのでは感じました。

 

 

本研究会への参加を機に、他施設の取り組みや工夫を参考にして、よいものはぜひ当院でも取り入れていきたいと思います。


 

 

文責:[研究開発センター] 山本 健児 [理事長] 塩谷 雅英

 

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