みなさん、お久しぶりです
前回から少し間が開いてしまったので、お時間があればこちらからお読みいただければと思います。
今日は、熊胆(ゆうたん)の続きです。
前回は主に、熊胆の利胆作用(胆汁分泌を促す)について見ていきました。
熊胆によって、自分の胆汁も増えて、また肝臓が動き出すんですよね。
そんな熊胆は、昔から胃もたれなど、胃腸薬としてよく使われているんです。
今回は、その仕組みを見てみましょう。
熊胆の成分の中で、胃腸薬に関係するのは、"胆汁酸"です。
この"胆汁酸"に、" 洗剤 "の役割があるんです。
例えば、油のついたお皿は、水をはじきますが、洗剤を使うと、油が落ちやすいです。
これは、"界面活性作用"ですよね。
あの"泡"です。
洗剤は、水とも油とも手をつなぎ、水で油をどんどん包み込んでいきます。
この働きが胆汁酸にもあるんです。
私達のからだは、60%が水分なので、油物を食べた時に必要なんですね
この界面活性作用は、前に、"人参"で登場した"サポニン"にもあります。
作用はそれぞれですが、私達は、"天然の洗剤"にお世話になっているようです。
話は胆汁酸に戻ります。
胆汁酸により、"水に包まれた油"は、膵液で消化されやすくなり、腸から、栄養として吸収され始めます。
胆汁が出るタイミングは、食べた油物が、十二指腸まで来たときで、胆汁は、胆のうから十二指腸に流れ出ます。
この胆汁が、前回お話したように、うまく出ない時があります。
こんな時に、熊胆をダイレクトに届けると、胆汁酸の働きを補ってくれます。
余った胆汁は、腸から肝臓に戻り、また利胆作用も始まります。
でも洗剤も1度に洗える量があるように、食べる量を調節すると、消化管は助かるようです。
胆汁酸の役割としては、他にも、大腸に水とミネラル(電解質)を呼び、消化管運動もアップさせます。
お通じにも良いんですね
熊胆は、保険の漢方薬には入っていないのですが、薬局などに市販薬として置いてあるところもあるので、また良ければ探してみて下さい。
熊胆は以上です。
さて、"胆"がつく生薬に、"竜胆"(りゅうたん)があります。
こちらは、植物の生薬で、名前の由来は、熊胆に負けない"苦味"があるからとのことです。
苦い薬は、やっぱり飲むのが大変ですよね
そこで、竜胆の特集の前に、
次回は、漢方薬の飲み方について見ていきたいと思います。
お楽しみに
以前の記事もご参照ください。
漢方薬について① 不妊治療でも使われることのある漢方薬のこと知ってみませんか。
漢方薬について② 生薬って身近にある!? ハッカ(ミント)のいい働きについて
漢方薬について③ 生薬って身近にある!? 続・ハッカ(ミント)のいい働きについて
漢方薬について④ 生薬って身近にある!? 生薬のしょうがには2種類ある!?
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漢方薬について⑦ 生薬って身近にある!? 山芋編 精がつくの”精”ってなんだろう!?
漢方薬について⑧ 生薬って身近にある!? ナツメのいい働きについて
漢方薬について⑨ 生薬って身近にある!? 人参(ニンジン)のいい働きについて
漢方薬について⑩ 生薬って身近にある!? 同物同治(どうぶつどうち)熊胆(ゆうたん)について
文責:[生殖医療薬剤部門] 吉田 知世 山本 健児 [理事長] 塩谷 雅英
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