今回は2月18日日曜日に開催された日本生殖医療支援システム研究会(jrmss)の参加レポートを紹介したいと思います。

近年、インターネットやスマートフォンなどの情報端末の普及は目覚ましく、医療においても、会計システムだけでなく、電子カルテ、画像保存などへの電子機器の応用が進められています。


 一方、医療は最先端技術の導入等により高度化し、また患者ニーズは多様化していることから、より安心・より安全・より確実な医療サービスの提供をおこなうためには、様々な診療支援システムの活用が期待されます。


 このような背景から2013年に岡山二人クリニックの林伸旨先生が本研究会を立ち上げられ、生殖医療支援システムについての情報交換や要員育成をおこない、『より良い医療サービスの提供』を目指して、毎年研究会が開催されています。

また、昨年からは当院理事長の塩谷雅英が林先生の後を引き継いでjrmssの理事長を務めています。


さて、今年は京都の醍醐渡辺クリニックの渡辺浩彦先生が大会長となられ、「少子化に向けた生殖医療におけるIT活用」というテーマを掲げられ研究会が行われました。

 

 

 

今回も興味深い講演ばかりでしたので、一部ご紹介しましょう。

「マクロ・マイクロ・インタラクション技術による顕微授精支援システム」という演題で名古屋大学大学院工学研究科准教授の青山忠義先生がご講演くださいました。

AIを活用した顕微授精を支援するシステム開発のお話しで、AIが学習した胚培養士の顕微授精の手技を、経験の少ない初学者が胚培養士の技能に到達できるよう支援するAI robotについて、さらにヘッドマウントディスプレイ上に3D表示し、触覚提示の技術も活用することによってあたかも操作者がミクロの世界に入り込んだような感覚で卵子や胚の操作を行うことが可能となるシステムのお話がありました。

技術の進歩に感心するとともに、このようなシステムが近い将来、胚培養士さんの世界を変えるかもしれないという予感を抱く講演でした。





続いては、「情報セキュリティ対策として私たちは何ができるか ~医療機関の置ける情報セキュリティ対策事例と将来展望~」という演題名で、大津赤十字病院医療情報課課長の橋本智広先生がご講演くださいました。


最近報道でよく目にする、医療機関に対するハッキングやランサムウエアなどから電子カルテシステムを守るための情報セキュリティについて、どのような考え方で、どのような措置を講じるのがよいかといった内容で、専門家でなくてもとても分かりやすくお話しいただきました。
こちらもとても重要な内容であらためてセキュリティについて考える機会となりました。

 


「生殖医療現場での“あったらいいな”活用事例」と題したシンポジウムでは、4施設からそれぞれの活用事例について講演がありました。


このシンポジウムでは当院の事例としてシステム管理部門部長と、にしのみや院江夏国宏院長が待ち時間の改善や医療の質の向上にを目指したシステム効率化やLINE、メッセージ機能の活用などについて発表を行いました。

 

各講演のあとは、総合討論が設けられ、活発な意見交換が行われました。


本研究会ではいつもながら最新のICT技術や他施設の取り組みに触れることができ、とても刺激になります。
よいものはぜひ当院でも取り入れ、診療やサービスの向上に活かしていきたいと思います。
 

 

文責:[研究開発センター] 山本 健児 [理事長] 塩谷 雅英

 

英ウィメンズクリニックのアプリ(記録道アプリ)ができました音符

英ウィメンズクリニックのインスタグラム公式アカウントはこちらからキラキラ

アメンバー募集中です。アメンバーの申請はこちらから 

黒猫しっぽメッセージはこちらからお送りいただけます。ご質問等もお待ちしております黒猫あたま