こんにちは、漢方外来の中尾真⼀郎です。

前回は、体にあった漢方を妊活中に取り入れれば体調が変化し、妊活のサポートになるのではないか、そしてその薬を見つけていく方法の話をしました。

外来でこのような質問を頂くことがあります。
「その薬はネットでみたら胃薬って書いてましたが子宮や卵巣にはいいんですか?」

妊活なんだから子宮と卵巣を良くしたらいいじゃないか?というのはその通りなんですが、
その前に子宮・卵巣はどう養われているかを考える必要があります。

漢方ではいろんな考え方がありますが、その1つに「気・血・水」という理論があります。
 

 

(図1)


 

「気」というのはエネルギー、活力です。

「元気」「気持ち」という言葉もあるように、生きるためのエネルギーです。
そして、気というエネルギーに乗って、血と水は全身に運ばれます。


「血」は西洋医学でいう血液を含む栄養物質のことです。

臓器を栄養し、気持ちの調整まで行います。


「水」は血以外の唾液や汗などの水分で、身体をうるおす成分です。

気血水はいずれも生体に重要で、全身をめぐって生体を維持しているという考え方です。

そして、重要な点は以下の3点です。

1.これらは食べ物を栄養源にして、体内で消化、吸収されて作られます。
→しっかり食べられて、消化できているかが重要になります。

 食欲がない、下痢が続くなどの症状があれば改善したほうがよいと思われます。

2.気血水は不足する、あるいは巡らずに停滞することで体全体のバランスが悪くなります。
→不足すると元気がない、集中力がなくなるなどが出てきます。

 停滞すると痛みや気持ちの不調などとして出てきます。

 不足、停滞は睡眠不足、ストレス、運動不足などたくさんの要素に影響されて生じるため、生活リズムの改善やお薬での治療を考えていきます。

3.体全体に適正な温度が必要である
体が冷えている、逆に余分な熱が多くてのぼせているような場合には気・血・水の循環も悪くなりやすく、合わせて治療を考えていきます。


これらは例えていうなら、下図のように「植物を育てる」ことと同じ原理です。


(図2)

 

 

苗を育てるのには水分(水)、肥料(気)、土(血)が大事ですね。

そして、植物と同じように、人にも日光=適当な温度が必要です。

 

数字や画像として実際に見えるものでないため分かりにくいかもしれませんが、胃薬と称されることがある六君子湯、人参湯などを妊活にも用いるのはこのような考えが背景にあります。

 

月経や排卵以外の点でも気になる体の症状があれば、ぜひ気軽に外来の受診をしてみてください。

 

 

こちらの記事もご参照ください。

漢方外来より① 「妊活に漢方って意味あるの?」
漢方専門医による漢方外来(保険診療)を新しく開設しました。
 

 

文責:[医師部門] 中尾真一郎  [理事長] 塩谷 雅英

 

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