前の記事で少し触れた体にいい油について書きます。
かなり長いので栄養に興味のある人だけ見てください。

 

 

こういう栄養のことを調べていると、
小難しいことがたくさん書いてあって読むのが嫌になりませんか?

 

調べれば調べるほどいろんなことが書いてあるし、
なにが本当やら分からなくなりました。

 

色んなところから集めた情報を自分なりに分かりやすく書いたつもりですが、
分かりにくかったらごめんなさい。

 

 

ココナッツオイルやオリーブオイルやエゴマ油などのオイル系は
腸内の便をスムーズにしてくれる働きがあります。

 

このような"いい油"は便秘だけでなく、
美容にもいいし、もちろん体にとっても良いのです。

 

美容や健康に良いことは既にお分かりだと思うので

この記事ではどの脂肪酸がどのように良いか、

どんな効果があるかについてはあまり書きません。

 

 

脂肪酸とはなにか、なにが悪いか、
その辺に焦点を当てています。(たぶん)

 

 

オメガ3やトランス脂肪酸など、よく耳にする単語ですよね。

オメガ3は体にいい油であり、トランス脂肪酸は体に悪い脂です。

 

 

脂肪酸は大きく
「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2つに分けられます。

 

不飽和脂肪酸・・・常温で固まりにくい、酸化しやすい。
飽和脂肪酸・・・常温で固まりやすく、酸化しにくい。

 

一般的には不飽和脂肪酸が体にいいとされ、
飽和脂肪酸は摂りすぎると体によくないとされています。

 

 

飽和脂肪酸がなぜ体によくないかというと、
上記に書いた通り、固まりやすいからです。

 

摂取しすぎると悪玉コレステロールの合成を促し、
中性脂肪を増やします。

 

血液はドロドロになり、

動脈硬化や脳梗塞・心筋梗塞などの生活習慣病につながるのです。

 

飽和脂肪酸は肉の脂身やラード、

バター、生クリーム、チーズなどに多く含まれています。

 

 

と書くと、飽和脂肪酸は悪!になってしまうのですが、
そうではありません。

 

そうではないのですよ!!

 

吸収スピード(炭素の結合数)によって、
飽和脂肪酸も短・中・長に分類されるのです。

 

 

摂らなさすぎることもまた問題で、この話は後述で詳しく書きます。

 

先の記事で話題にあげたココナッツオイルも飽和脂肪酸です。

なのになぜ体に良いと言われるのかは同じく後述ということで。

 

 

脂肪酸をもう少し細かく分類すると、

 

「飽和脂肪酸」
「一価不飽和脂肪酸」
「多価不飽和脂肪酸」
「トランス脂肪酸」

 

になります。

 

 

このうち一番体に良いのが「多価不飽和脂肪酸」。

 

多価不飽和脂肪酸にはオメガ3とオメガ6があり、
どちらも人体で合成することができない必須脂肪酸です。

 

オメガ3・・・α-リノレン酸・DHA・EPA・DPAなど
オメガ6・・・リノール酸、アラキドン酸、γ-リノレン酸など

 

オメガ3は一度くらい見聞きしたことがあるのではないでしょうか。

 

 

オメガ3は積極的に摂取したいですが、
オメガ6は積極的に摂取する必要はありません。

 

食の欧米化により現在の食生活では
オメガ6が過剰摂取になっているらしいのです。

 

 

オメガ6はコーン油やひまわり油、菜種油、
大豆油、マヨネーズ、ごま油などに多く含まれています。

 

肉やたまご、乳製品からも摂取できます。

普通の食生活をしているとまず不足することはありません。

 

オメガ6を摂りすぎに注意と言われているのは、

過剰摂取により害になるからです。

 

適度に摂る分には何の問題もなく、むしろ体に良いです。

 

しかしオメガ6のうち

リノール酸とアラキドン酸を過剰摂取すると、

 

アレルギー症状が悪化したり、動脈硬化が促進したりと、
体にとって悪いように働いてしまうのですね。

 

 

オメガ6が過剰摂取気味になっている一方で、

オメガ3は現代人に不足気味。

 

肉やたまごに比べて、青魚はそんなに食べませんよね。

 

青魚と言えばこれぞよく聞くDHA。

青魚の脂にはDHA・EPAが多く含まれています。

 

最近話題のえごま油や亜麻仁油には

α-リノレン酸が多く含まれています。

 

 

α-リノレン酸は体内で

EPA>DHA>DPAの割合に変換されます。

 

しかし変換効率は10~15%程度という研究成果もあるようです。

 

あまり馴染みのないDPAは
EPAの10倍以上の動脈硬化予防の効果が期待できるとか。

 

このDPAはハープシールオイルというアザラシ油に多く含まれていますが、

まだあまり普及はしていません。

 

他には、クルミや栗にもオメガ3が多く含まれています。

クルミ以外のナッツは、オメガ3がごく少量しか含まれていません。

 

木の実は手軽に食べられておやつにもなるので、
オメガ3を摂りたいならクルミを選ぶと良いでしょう。

 

 

「一価不飽和脂肪酸」はオレイン酸を主とするオメガ9のことです。

オメガ9は人体で合成することができるため、必須脂肪酸ではありません。

 

オリーブオイルや菜種油、マカダミアナッツなどの木の実類、
アボカドなどに多く含まれています。

 

不飽和脂肪酸の中では一番参加しにくい分類です。

 

 

過剰摂取でオメガ6のようにどうにかなるわけではありませんが、

やはり油は油なので、摂りすぎると肥満になります。

 

肥満になっていいことはひとつもないので、
カラダに良いからといって摂りすぎはよくありません。

 


さっきからオメガ3とかオメガ6とかなに、
オメガ5とかないの?という人は下記URLを見てください。

 

オメガ脂肪酸について

 

化学構造の話になります。炭素がどうのこうの書いてます。

ちなみに今のところオメガ5はありません。たぶん。

 


そして最後に一番問題のトランス脂肪酸。

これは不飽和脂肪酸です。

 

あれ?不飽和脂肪酸ってことは、そこそこ体にいいんじゃないの?

 

今までの流れからするとそうなると思うのですが、
不飽和脂肪酸にはトランス型とシス型というものがあるのです。

 

このトランス型が、体に悪いヤツなのですね~。

 

 

植物油や魚油などの天然の不飽和脂肪酸は、
ほとんどすべてシス型です。

 

トランス型の脂肪酸は自然界に"ほぼ存在しないもの"なのです。

 

そりゃ自然界にもトランス脂肪酸は存在しますが、
人工的に生成されたトランス脂肪酸でない限りさほど気にする必要はありません。

 

 

マーガリンやショートニング等は植物油などに水素を添加して作られます。

この水素を添加して油を硬化させる際に、トランス脂肪酸が発生するのです。

 

つまりトランス脂肪酸は望んでいないのに生成されてしまう「不要物」。

人工的に遺伝子変異を起こさせたものがトランス脂肪酸ということですね。

 

人工的に作られたものということは、体内で分解しずらいのです。

 

これがマーガリンやショートニング、

ファストブレッドなどが体に悪いと言われている所以です。

 

 

じゃあバターはどうなんだという話なのですが、
マーガリンは植物性油、バターは動物性油です。

 

バターは牛乳と食塩のみで製造されますが、
マーガリンは植物油に人工的に水素分子を添加させて化学反応で製造されます。

 

もちろんバターにもトランス脂肪酸は含まれていますが、
マーガリンはバターの数倍含まれているのです。

 

 

トランス脂肪酸についてもっと詳しく見たい人は
ウィキペディアと農林水産省のページをどうぞ。

 

ウィキペディア(トランス脂肪酸)

 

農林水産省(トランス脂肪酸)

農林水産省(トランス脂肪酸)

 

化学的な構造がどうのこうの書いてあります。

たぶん読むのが嫌になります。

 


と、ここまで来たところで。

 

じゃあ飽和脂肪酸とトランス脂肪酸は同じような物では?
なにが違うの?

 

と思いませんか?

私は思いました。なにが違うんだと。

 

大きな違いは分子構造なのですが、

私が思ったのはそういうことではなく、食品が体に与える影響の話です。

 

私が調べた結論は、

 

肉の油など自然界に存在するものからできるのが飽和脂肪酸。
人工的ななにかを添加したときにできるのがトランス脂肪酸。

 

原材料を見ればだいたい分かるということですね。

 

 

トランス脂肪酸を多く含む食品は常温放置でも腐らないらしいです。

嘘か本当かはしりません。

 

ファストフード店での揚げ物が危険と言われるのは、
揚げ油にショートニングが使われている場合があるからだとか。

 

ショートニングを使うことで、カラッと揚がり、食品が長持ちするそうです。

 

酸化した油が体に悪いのは当たり前なので、
それと合わせて倍害悪ということでしょうか。

 


ひとつ前の記事でも少し触れましたが、

 

エクストラヴァージンココナッツオイルにしろというのは、
このトランス脂肪酸の問題があるからです。

 

ヴァージンでないココナッツオイルは

水素化された油の可能性があるらしいのです。


ココナッツオイルを買うときは絶対注意してください。

『エキストラヴァージンココナッツオイル』ですよ。

 


ところで最初に書いた『ココナッツオイルは飽和脂肪酸』という話。

そう、ココナッツオイルは飽和脂肪酸です。

 

じゃあ体によくないじゃん!と思いますよね。

そんなことはないのです。

 

 

飽和脂肪酸にも分類があって、
短鎖脂肪酸・中鎖脂肪酸・長鎖脂肪酸と分けられます。

 

短中長は炭素の結合数の違いですが、

要は吸収される時間の違いです。

 

ちなみにオメガ3などの不飽和脂肪酸はすべて『長鎖脂肪酸』です。

 

 

ごちゃごちゃになった人へ。

 

飽和と不飽和は同じ列、
↑別の列↓
短鎖・中鎖・長鎖は同じ列

 

・脂肪酸は飽和と不飽和に分けられる。
・飽和には短鎖・中鎖・長鎖の三種類がある。
・不飽和には長鎖しかない。

 

なんとなくイメージできるでしょうか。

 

 

飽和脂肪酸の代表的な食品は以下のように分けられます。

 

短鎖脂肪酸・・・酢、牛乳、バター、チーズ
中鎖脂肪酸・・・ココナッツオイル、牛乳、バター、チーズ
長鎖脂肪酸・・・ラード、牛脂、パーム油、バター、チーズ、ココナッツオイル

 

見ての通り、チーズやバターは短中長すべての脂肪酸が含まれています。

どういうことかと言うと、割合の問題です。

 

100g(cc)中、短鎖脂肪酸が何%、中鎖脂肪酸が何%ということなのですが、
詳しい割合は調べてないのでわかりません。

 

 

飽和脂肪酸の摂りすぎが動脈硬化や肥満云々言われているのは、

飽和脂肪酸のうち、長鎖脂肪酸にあたる食品のことなのです。

 

飽和脂肪酸も不足すると血管が弱くなり、

生活習慣病のリスクがあがります。

 

摂りすぎはもちろんダメですが、
摂らなさすぎるのもダメなのです。

 

 

といっても、

現代の食生活において飽和脂肪酸が不足することはほぼありません。

 

制限しろと言われているくらいですから、

気にしなくて大丈夫でしょう。

 

 

さて、話を戻します。

 

ココナッツオイルの60~70%は『中鎖脂肪酸』と言われています。

 

もちろん長鎖脂肪酸やその他の物質も含まれているのですが、
ココナッツオイルはほとんどが中鎖脂肪酸。

 

 

中鎖脂肪酸はカラダに溜まりにくく(中性脂肪がつきにくい)、
すぐに消化吸収されてエネルギーになります。

 

ココナッツオイルがダイエットに良いと言われているのは、
中鎖脂肪酸にケトン体という物質の生成を促進する効果もあるため。

 

 

糖質制限をしたことがある人なら、

『ケトン体』という単語を聞いたことがあるのではないでしょうか。

 

糖質制限によって体内のブドウ糖が不足すると、
脂肪が燃焼されてエネルギー源として使われるようになります。

 

この時に肝臓で作られるのがケトン体です。

 

通常、脳はブドウ糖しかエネルギー源として使うことができないのですが、
ケトン体はブドウ糖の代わりに脳のエネルギー源となると言われているのです。

 

脳のほかにも様々な臓器において、
ケトン体はエネルギー源として使われるとされています。

 

つまり、脳のエネルギーになるケトン体があれば、
脳は「食べろ」という指令を出さないですむというワケです。

 

食欲が抑えられる→痩せる。

脂肪燃える→痩せる。

 

 

誤解がないように書きますが、そんなに一気に食欲は抑えられません。

当然、翌日すぐに体脂肪や体重が減るわけはないし、健康にもなりません。

 

日々の積み重ねが大切です。

 

 

 

といったような堅苦しい話を延々と書いていたのですが、

キリがないのでもうやめます。

 

分からん!という人は、下の画像を見て方ください。
ネットの海から拾ってきたものです。

 

 

 

 

 

理想的な脂肪酸の摂取比率は


飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸=3:4:3

とされています。

 

要は質の良い油を摂りましょう!ということ。

 

 

これだけ散々書いておいてあれですけど、
あれやこれやの気にし過ぎはよくないですよね。

 

なんにも食べられなくなっちゃいます。
とりあえず、化学物質の摂り過ぎには注意しましょう。

 

 

健康に気を遣うなら自然のものがいいですよということでした。

 

おわり。